「モペット」と、「ベット」&「バック」の差の1058号

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    「モペット」と、「ベット」&「バック」の差の1058号

■「モペット」じゃなくて「モペッド」のつづき

 前回の続きです。
 ご年配の方から、でもさー、当時だって「モペット」と言ってたんだよね、というメールをチラホラ受け取りました。
 そう、それはその通りなのです。モペッド全盛期の昭和30年代、40年代はそう。
 そして同時に、当時は寝台のことをベット、鞄のことをバックとも言ってたのですよ。
 日本人は語尾の濁点が苦手だから。
 でも、もちろんBEDはベッドだし、BAGはバッグ。やがて「そりゃ、おかしいよ」つって、正されていったのはご承知の通りです。ついでにいうとプロ野球「ナイター」も「ナイトゲーム」になりました(笑)。

■「モペッド」に直らなかった3つの理由

 では、モペッドはなぜモペットのまま放置されたのか。その理由は3つあります。
 1つめは「モペット」と誤解される言葉がなかったこと。ベッドをベットというと「なに賭けるんだよ(笑)」と思うじゃないですか。バッグがバックだと「なに後ろ向きなんだ(笑)」と思われる。でも、モペットにはそれがない。だから放置された。これが1つめ。
 2つ目は「モペット」が商標として利用されてたからです。特にスズキとヤマハは、自社の製品に「〇〇モペット」と名付け、それを売り出しました。それが一般大衆に「ふーん、小さいバイクはモペットか」と染みこんだのかもしれません。
 3つ目。これが一番大きい。
 モペットは結局、昭和40年代にほぼ絶滅したからです。もとよりMOTOR+PEDALのモペッドでしたが、原付のエンジンはやがてハイパワーを得、ペダルのアシストを必要としなくなりました。スロットルだけでグングン進みますし、後にはセルモーター一発でエンジンもかかるようになりました。
 そしてスーパーカブやラッタッタの前に「モペット」は急速に衰え、消えていったのです。
 それが令和の今になって電動としてよみがえった。この空白期間が「モペット」誤用の最大の理由です。
 つまりこういうことです。ベット病やバック病は昭和の末から平成にかけて治っていきました。しかし、モペット病には治療期間がなかったわけです。

■「モペット識者」を信用できるか

 じゃ、モペットはモペットのままでいいかといえば、全然よくありません。それは前号1056号で述べたような構造的理由があるからです。「モペットいいじゃん、みんな言ってる、みんなやってるからいいじゃん、歩道通行いいじゃん」では、日本の道路事情と交通道徳は絶対に良くなりません。さらにいうと、警察のエラい人にへこへこするばかりのジャーナリストのどこがジャーナリストなんでしょう。
 だから私は「モペット」を連呼する自称交通ジャーナリストみたいなヒトを絶対に信用しないのです。
 だいたい、どうでしょう。たとえば「人間ドッグ」を連発する医師のことを信用できますか?
「〇〇さん、来週以降、人間ドッグに入ってもらいましょう」とか言われて「はいはい、予約とります、わんわん」なんて(笑)。
 入るならもちろん「人間ドック」ですね(笑)。これも近年急速に直りました。イイコトです。
 だいたい「モペット」じゃ語感が可愛らしすぎていかんのですよね、あんな電ジャラスなものには、理論武装をした上で正しく「モペッド」。それでいいのです。


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