なぜ私は「モペット」の語に怒るのか、の1057号


 
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      なぜ私は「モペット」の語に怒るのか、の1057号

■「モペット」表記に潜む3つの構造的問題

 今月号の『サイクルスポーツ』誌に詳しく書いてるんだけど、私が「モペット」に怒る理由を3つに集約したんで、ここで短くどうぞ。
 というのか、なぜいまだに新聞テレビは「モペッド」のことを「モペット」と書くんでしょう。
 そこには「理由」があるのです。「メディアの現在状況」に通じる、じつにくだらない理由が。

■【怒らねばならない理由(1)】「モペット」は記者クラブの忖度まみれ

 じつはモペットと報道されるのは、警察庁および各都道府県警クラブの発表文がモペットだからです。
 同庁のエラい人が間違えて「あれ、なんだっけか、昔あったよな、そうだモペット!」つったのを、そのまま部下が「へいへい、そうでごぜえます、モペット」と使ってる。
 MOTOR+PEDALでMOPEDなんだからモペッドが正しいに決まってるのにね。
 その結果、発表文は「モペット」で出る。
 で、記者たちは警察に忖度して「モペット」。記者クラブ横並びでモペット。
「権力と対峙する(`・ω・´)キリッ!」とかいいながら、正しいことを警察に遠慮して言えない。それが従来メディア(新聞テレビ)のクラブ記者なわけです。くだらねぇ。

■【怒らねばならない理由(2)】「みんな言ってるんだからもういいじゃん」という欺瞞

 実はこれが一番根が深いと思うのです。
 みんな言ってんだから、やってんだから、いいじゃんいいじゃん、と言いながら誤表記の「モペット」。
 これって「みんなやってんだから自転車の歩道通行いいじゃん」と同じだと思いません?
 みんなやってんじゃん、逆走だっていいじゃん、信号無視もいいじゃん、間違ってたっていいじゃん、たかがチャリじゃん…。
 その結果、先進国随一の自転車事故率になっちまった。
 サイテーだと思いませんか? そのサイテーの象徴がこの「モペット」なのです。
 だいたい「みんな言って」ないよ。昭和40年代以降ほぼ途絶えてた言葉のリバイバルなんだから。

■【怒らねばならない理由(3)】そもそもの絶望的無知

 で、なーんにも考えずに取材もせずにモペットモペットいうバカ記者がたくさんいるということです。
 この1点をとっても「もうダメだな新聞テレビは」と思います。
「なんだっけ、モペットって。ま、いいや、警察の言うとおりなら文句来ねえだろ」って。
 はー、そうですか。Wikipediaだって、あのLUUPだって公式ウェブサイトに正しく「モペッド」と書いてるんですぜ。こういうところもネットは従来メディアの先を行ってる。
 ちゃんと取材しろって。勉強しろ。
 クラブにいて発表文を写経してるだけで、よく「コタツ記事」を批判できるな、オマイラは(笑)。

■「モペット」の本質はここにある

 というわけで、結論はここだ。
(1)エラい人にへこへこする卑屈と、
(2)長いものには巻かれろの事なかれ主義と、
(3)圧倒的な不勉強。
 これらを足すと「モペット」になるのです(笑)。『サイクルスポーツ』2025年1月号(現在発売中)をどうぞ。128、129ページに書いてあります。
 あ、シェアはバンバンどうぞ。というより、是非。

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