五輪の948号
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト ”Weekly Bicycle Tourkinist” ┣━┓
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学習院が始まるよー♪の948号
■五輪もうダメかもなぁ
「さすがにもうダメかもな、東京五輪。日本、貧乏くじ引いちゃったな(;。;)」とか思ってます。すいません、ヒキタです。
いや、この件に関してはね。
私はいっちばん最初(2013年でしたっけ)は「え、東京オリンピック? うーん、まあいいんじゃね? でも面倒といえば面倒だなぁ、ホントにやんの?」という程度に思ってた。
思えば、オリンピックが決まったあの頃、私は朝情報番組のプロデューサーだったからね。
番組内でオリンピックはもちろんやらざるを得ない、だけど、何だかんだで放映権だの、放送秒数制限だの、五輪マークの扱いだの、在京各局のタワー分岐だの、面倒くさいんですよ、あれ。しかも朝番組ですから。各局前日にみんなやった後の、落ち穂拾いで、その落ち穂で毎朝のお祭り騒ぎ…。
さらに言うなら、このメルマガをお読みの方はうすうすお気づきのとおり、じつは私、運動会的なものがあまり好きじゃない。子供の頃から運動会より学芸会の方がはるかに好き。さらにいうなら遠足の方がもっと好き、というのが私でありまして、ふーん、7年後かぁ、そうかぁ、てなもんだった。
■でも「やろう!」の人に水はかけない
でもね「やろうぜ」という人の邪魔はしたくないわけですよ。邪魔しないどころか、やるならやるで後押しはしたい。
やろう!という人の足を引っ張りたくはないのです。
何だかんだあっても後になって考えてみればいい想い出だ。いいじゃんか、五輪。やろうぜ、五輪。1964年(私が生まれる2年前)のあれは一体どんな感じだったのかな。伝説のそれを味わうのも悪くないな。頑張れ選手たち、裏方の人たち、と、そう思いながら、2020年までやってきた。
で、新型コロナだよ。
うーん、ここまでコロナ禍が広がるとは思ってなかったけれど、1年後に仕切り直しか、間に合うかどうか、そうか、ナントカなりそうか。じゃあ1年、双六で言う「1回休み」でやってみようぜ。各国そうなんだもんな、よっしゃ。
そう思ってた。
■だがな「もはやこれまで」かもしれん
で、それ以降はみなさまご承知のとおりだ。
コロナ禍は収まらず、ワクチンも遅れたまま。あろうことか第4波は変異ウイルスときやがった。
通常の東京五輪 → 観客制限の東京五輪 → 沿道応援もダメ → 無観客の東京五輪
しかも選手全員にワクチンが云々され、要するに、今回開催されたとしても、それは「大規模な記録会」に過ぎないわけだ。さらにいうなら、そこにインドからの選手団、ブラジルからの選手団と、そういう方々がいらっしゃるのよ。あと3ヶ月、もはやこれまで、かもしれん。
池江璃花子選手なんかを見ていると、彼女のためだけにでも東京五輪、開いてあげたいものだと思うが、そのために失うもの(コロナのリスク、医療の逼迫、人出のかかりよう、経済的負担ほか(多すぎる))を考えると、もうダメかもなと思う。
■だがね、おまいらに言われたくはない
だがね、私しゃ、このところ何だかんだで不愉快でならんのよ。
私が常々「こんな人だけにはなりたくない」と思うのは、こういうときに冷笑的な姿勢になって、ほーら、見たことか、やっぱできないじゃん、失敗じゃん、エエカッコしやがって、どうせ利権がらみなんだろ、おれは前からイヤだったんだよ、五輪なんて、……とせせら笑うヤカラのことなんだ。
そんなバカ者いるかよと思ってた。
あにはからんや、いるんだよ、あっちこっちに。ご承知のとおり池江選手に「ボイコット要求!」するヤカラまでいる。
いろんな分野でオリンピックに携わった数々の方々、いろんなご苦労をありがとうございました。
中止になったとしても、あなた方の責任ではありません。施設は何かで使いましょうぜ、この結果をいろんな教訓にしましょうぜ。
あとIOC。あやつらに関しては、もっとナントカならんかったのかね。自分の利益優先というだけで、ここまで引っ張って、そんなこんなにしやがって。4年後順送りでなにがいかんかったんか。このぼったくり男爵が。
これ以降、オリンピック誘致に手をあげる都市なんか出やせんぞ。
■学習院『楽しむための自転車学2021』
今年もまたこの季節、で、今年はフルリモートで講義やります。ZOOMです。
ご興味ある方はぜひご参加を、というか、後の世になったら「ああいうこともあったなぁ」ということになるんでしょう。とりあえず今年は「今後どうなるんだろうなぁ、自転車」というのを中心にやろうと思ってます。
【学習院さくらアカデミー『楽しむための自転車学2021年』】
http://g-sakura-academy.jp/course/detail/2021/A/054/
【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
『ビルマの竪琴』竹山道雄著 新潮文庫
あー、こんな話だったか…。
子供の頃に読んで何となく憶えていたけれど、悲しくも感動的な話であることは間違いない。
でも、今読んでみると、…そうだなぁ。どうしても考えざるを得ないのが、現実のミャンマー情勢のことだ。
ミャンマー人はこの物語をどう読むだろうか。
本書のベースとなるインパール作戦や、日英の兵士たちによる『埴生の宿』。しかしそれはあくまで日本人とイギリス人の話だ。
本書の中ではミャンマーは単に舞台に過ぎず、登場するミャンマー人は味方でもない、敵でもない「ただの人」。なんだか今現在のミャンマーの姿と較べると複雑な気持ちになってしまうのよ。要するに「ブータン型の幸福」とは本当に幸福なんだろうか、というのと似たカテゴリーの話。
じつは私、ミャンマーがまだ軍事政権下で鎖国していた頃、とある事情のもとにここを訪れたことがある。2週間ほどいた。30年ほど前のことだ。素朴で、よく笑う、いい人たちばかりだった。現在そこでいま毎日のようにデモが起き、たくさんの市民が殺されている。
ちなみに拙書『自転車ツーキニスト』(光文社)に出てくる「タルキスタン(匿国名)」とは、じつはこの国のことです。
【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/
【ヒキタ最新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878
【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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