このところ「お金の心配」の955号
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このところ「お金の心配」の955号
■日本のお墓は「清潔」じゃなぁ
いやもう亡母の話の続き。先日、納骨をすませ、四十九日の法要をして、落ち着いたんではありますがね。
ジャパン仕様の墓というのは、開け閉め自在でじつはカジュアルだなぁと、今さらながら思った。
で、清潔。
なんというのか「ゾンビが出てくる余地がない」という感じ。ああいうデロデロの屍体が埋まってたりしないからね。日本墓には。しかも、真夏だからまったく湿ったところがなく、要するに、大理石と、陶器と、カルシウムばかりでできている。
墓をあけたらおやじの骨壺が出てきて「おっと父さん久しぶりじゃな、母さんもよろしく」という感じだったよ。
■不意にお金の心配だ
とまあ、それはいいとして、昨今とみに考えてるのは「おカネ」のことでありましてね。
というのも、ふと気づくと、ツーキニスト疋田、まだ若いまだ若いと思ってたら、あに図らんや、いつの間にやら定年までもう5年なのですよ。自分自身で驚き。
で、そろそろ「その後」のことも考えなくてはならないと思ってね。
まだまだ働こうとは思ってる。だが、これまでほどは稼げない(たぶん)。ところが手のかかる子供がまだ3人もいるもんで(定年時に下の子はまだ中2じゃが)とりあえず現在の資産を減らさず増やす方向で、でも危険なこと(リスク大の運用とか)ができるわけもなく、とりあえず分散して置きたいと思ってるわけなのだ。
というのも、どうも悪い予感がするからだ。
「構造的にそうなる」「そうならざるを得ない」と思う場合は絶対にそうなる。
……というのは、私の54年間の人生の中でほぼ唯一得た確信なんだが、次のようなことになりゃせんじゃろか。
■「世界的なインフレ」は来るかどうか
全世界的コロナコロナで、こんなにカネばっかり刷って、今後どうなるかって、間違いなくインフレになると思うのですよ。
デフレデフレの日本で、何がインフレだ、ちょっとくらいのインフレ、いいじゃないの、というならいい。
だけど「明確な理由でインフレが来る」ときのインフレは必ずハイパーインフレになり、なおかつそれはみんなが「来るわけない」と思ってたときにこそくる。そういう歴史の事実を考えてみた方がいい。
今はどうか。
コロナコロナで、ドル・ユーロ・円とジャブジャブに刷っておいて、それぞれの国が「借金でごんす」と素直にコツコツ返すとは思えない。
横並びで「はい、インフレー♪」「借金大幅目減りー♪」にする、と考える方が理にかなってるよ。
コロナ景気もこのまま続くとはもちろん思えなくて(どこの国だって今は官製好景気だ)要するにスタグフレーションが目の前にあるのではないか。不景気なのにインフレが進むってアレね。もうこの言葉自体が、懐かしいなぁ。中学の「公民」教科書に書いてあったがね。
まあワカラン。異論はもちろんあると思う。だが、その可能性は大いにある。そうとしか言えないわけだ。
だいたいあんなにアヤシい(おまけに非エコな)暗号通貨に支持が集まるのも、ひとつには「従来の通貨の信頼が落ち始めているから」という理由があるからだろう。「国家が保証」よりも「ブロックチェーンが保証」の方が信頼がある、とする人が、一定数いるわけだよ。
■個人はどう備えればいい?
でね、そんな天下国家のことばっかり言って仕方ない。問題は個人資産をどうするかだ。
インフレがきた、として、そのとき持ってるのが銀行低金利塩漬けの日本円ばかりだと、みすみす損をするばかりじゃが。
私ヒキタはなぜか不動産を少々持ってるんで(このあたり、詳しくは田崎仁志著『平成バブル物語 〜60年代生まれのための東京バブストーリー〜』でもどうぞ)インフレに関しては、ちょっとだけ有利なんだが、それ以外はどうじゃろかなぁと思うわけなのですよ。
都心の不動産自体かなりのバブル気味、という気もして油断できない。そもそも「人口減のニッポンで不動産?」というのもある。いつかどっと落ちる、という不安が常にある。
では、流行りの(流行ってるのか?)米国株なんかはどうか。いろいろ調べるに悪くない、悪くはない、が、しかしそろそろ過熱状態という気もする。限界が近づいてるという気がするわけ。つまりこれも「いつかどっと落ちる」危険をはらんでる。でも分散投資しときたいんで、とりあえずS&P500の積み立てインデックスあたりを多少買った。
■もはや昭和には戻れない
あと、こういう状態のときにすぐに考えつくのは、やはりコモディティ、というより金(ゴールド)じゃがね。
金はどうなんだろうなぁ。今は、ちょっと前に較べると安いような気がするが、でも、買って放っていても利子がつくわけじゃなし、なんか貴金属屋に手数料を払って、彼らを喜ばせるだけのような気がして、今ひとつ食指が動かん。
どうしてますかね。みなさま。
米中関係もあって、今後の世界経済がどう動くか、もう見当もつかんのですよ。
昭和の時代はよかったね。
銀行金利が、定期で7%(!)とかあって、余計なことを考えず日本円のまま預金してれば、黙ってても増えた。日本経済もそれとともに成長した。
今はどうだろう。あらゆるものが不安の中、不確定じゃがね。
いや逆に、もしも今、市中金利が7%にも8%にもなるとしたら。
そのときってのは…、すでにこの日本社会にハイパーインフレが到来してるとき。いや、ハイパースタグフレーションがやってきているときじゃがね。
【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』橘玲著 幻冬舎
というわけでこれ。
じつは19年前にいちど読んだ。19年前、まだ35歳のときだ。
当時は、海外投資の話とかされても何のことやら(笑)まったくピンとこなかった。
だけど、今なら分かる。なるほど、この本がいうほど激烈に悪い未来は来なかったけど、今もじわじわと日本は「黄金の羽根をまき散らしながら墜落」している。
本書を読んでて、いまあらためて驚くのは、昨今はやりの「FIRE(Financial Independence Retire Early)」を、この本はすでに提唱していることだ。
自由な人生を生きるために。
つまり、国、会社、家族に依存せず生きる、というスタイルのためには経済的独立(Financial Independence)が必要だ。経済的自立とはつまり資産のことである。
その具体例をたとえば1億円の資産保有ということにし、それを経済的独立と仮定しよう。
その目標は、欧米や日本では特別な才を要せず「勤勉と倹約プラス共稼ぎ」で目標に到達する……。
これって、前々回の両学長@リベ大の『お金の大学』と同じ話だよ。ああ、この事実を35歳のときに少しは我が身に置き換えて考えていれば(;。;)。
あー、それにしても1億円、か。あと、狂牛病の話とか、なんか懐かしいな(;。;)。
【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/
【ヒキタ最新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878
【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
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