安倍さんと宗教団体のことを考える999号

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       安倍さんと宗教団体のことを考える999号

■安倍元総理最大の弱点とは

 うーん、すぐ収まると思ったんだけど、なんだか引きずってるみたいだからちょっと一言。
 今回のこれ、統一教会の件さ。
 私は「安倍さんの一番の弱点」が不幸な形で出た結果だと思ってるのです。
 安倍さんの弱点って何か。それは、なんでも「あー、いいよ」って応じてしまう、お坊ちゃん的人のよさだったじゃないすか。これは前々から。
 だから籠池だの何だのの変なのがまとわりついてきても、笑顔で応じてしまう。で、また昭恵さんが輪をかけて天真爛漫お嬢さん(ほぼ何も考えてない)だから、そこにハイパー変なのを連れてきてしまう。
 モリカケの原点ってそこじゃん。
 で、そういうのが敷衍した中の1つが、この「統一教会の外郭団体」ってやつだと思うのよね。

■「特定の宗教団体」ではなく

 宗教団体ってのは、政治家にとっては、確実で分かりやすい票田だ。信者はほぼ必ず上の人の言うことを聞くし、必ず言われたとおりに投票に行く。こんなに「質の高い組織票」はほかにないじゃろうて。
 で、その数々の宗教団体は宗教団体で、ときの政権与党にまとわりつくわけさ。
 そもそもが連立与党を組む公明党からして、最初から創価学会を支持母体としてる。
 でも、じつは創価学会だけじゃないぞ。「霊友会」「立正佼成会」「生長の家」「妙智会教団」「崇教真光」……と、この手合いはみんな自民党支持。あるいはそうだった。そして、自民党と安倍さんはそのどこに対してもほぼ同じ文面のメッセージを出してるはずだ。
 そこがもう「なんとしても票が欲しい政権与党」と「権力に取り入りたい宗教団体」の互いにあいよる部分で、要するに政権与党の影の部分と言わざるを得ない。
 政教分離原則の手前、もちろんあまり褒められた部分じゃない。
 そこに統一教会あたりが「なら、うちらもよろしく」つってた。で、過去のつきあい(対共産主義とかの)もあるし、霊感商法とかのほとぼりも冷めた(?)ことだし「まあいいよ」と応じてしまってた。と、そういうのが今回の背景にある。つまり統一教会がどうのってのは、有象無象のスリ寄り宗教団体たちの一部に過ぎん。特定宗教との癒着だとか何とかってのはかなり話がズレてるわけさ。

■旧来の常識との齟齬

 とまあね、こんなのは多少なりとも政治政党の取材をしたことのある人には常識だった。
 ところが、今のネットの若い子たちはそのあたり無知だから「すわ、特定宗教との癒着だ」つって、いきりたってしまうわけだよ。
 で、ズルいのは、そんなこと最初から知ってた新聞テレビの連中が、結果のあまりの重大さ(元総理の銃撃!)と、今なお残る統一教会の邪悪さ(お布施が数千万円!!)に黙り込んでしまってることでね。
 いやなに、そんな構図じゃない。
 だいたい「統一教会と特別癒着してるからメッセージを出した」つうんだったら、彼らの強烈な「日本原罪」思想、すなわち反日主義 は、まったく安倍さんと結びつかないよ。勝共連合(共産主義に勝つんだ!)がどうのつってた時代ともう今は違うんだから。


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『日本インディーズ候補列伝』 大川興業総裁大川豊著 扶桑社

 選挙に出ては落ち、出ては落ちの泡沫候補たち。大川豊氏がそれらの人々を「インディーズ候補」と名付け、列伝としたのがこの本。どんなにヘンな人が出て、どんなに面白おかしい珍獣博覧会になってるかと思って読んでみたんだが、うーむ、案外マトモで拍子抜け。その理由は本書が発刊された2007年という年にある。
 この年までのインディーズ候補なんてのは、羽柴誠三秀吉氏、山口節生氏あたりがせいぜいで、その他、あげられているのは、田中康夫氏、そのまんま東氏(ポスター表記)、徳田トラオ氏(ポスター表記)、黒川紀章氏の手合いなんだよ。なんだよ、インディーズどころか、普通に通って、知事でも何でもやってたじゃんよ。
 それに較べたら、今、だ。
 15年後の2022年。どうすんだよガーシーとか(@∀@;)。
 それ以外にも「国政落ちたら、じゃー市議や区議だ」つって受かっちゃって、地方議会にはもはやフツーにいるんだよ、サイコ手前の人たちが。
 なんだか、笑って見てる場合じゃないよな、と、参院選見てて思った。
 社会が泡沫候補の面々を笑っていられる、つまり余裕のある時代ってのは、もう過ぎたんだよ。残念なことに。


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「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
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