世界恐慌前夜にカナリアが鳴く903号(コロナ後の経済話.2)

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   世界恐慌前夜にカナリアが鳴く903号(コロナ後の経済話.2)

■すでに兆候が隣国で

 世界中に蔓延するコロナ禍が、まあなんとか収まったとして(いや、収まらなくとも)次にやってくる大不況はいかばかりのものか、というのが前回の話でありました。

 各国(おそらく)国債発行の嵐となり、そんな巨額国債の引き受け手なんてなく、金利の暴騰、ハイパーインフレがやってくるのではないか、というのが言いたいことだった。でもね、まあ、そういうシナリオ(ヒキタ私見)であろうとなかろうと、誰もが一致する意見がある。

 要するに1行で言うとこうだ。

 近い将来トンデモない不況がやってくる。

 じつはすでにその兆候が隣国であらわれている

■もう使っちゃったの?

 失業率の急増、中小企業の倒産増大、各家庭の借金の総額急増など、未曾有の経済大後退(多くは政治失策が原因)を「コロナ検査」でゴマカしてる(?)おとなりの文政権ではありますが、いやはや今日が総選挙の投開票なんだって?

 文在寅大統領率いる与党「ともに民主党」圧勝の勢いだそうだが、ま、そこは勝手にやってくれとしか言いようがないんで(笑)ま、それはそれでいい。気になる(まがまがしい)ニュースがある。

 韓国『中央日報』の昨日付の記事だ。

【韓米通貨スワップ3回目のドル供給へ…規模は縮小】

https://japanese.joins.com/JArticle/264834

 先日やっとの思いでこぎつけた(?)米韓スワップ(危機の際にお互いの通貨を融通し合う約束)だったのに、その総額枠600億ドル(=72兆ウォン)のうち40億ドルをまたまた17日(あさって)供給するというのだ。

 じつはすでに第1次で87億2000万ドル、第2次で44億1500万ドルを使っちゃっていて、スワップ枠のドルはもう600億ドルから469億ドルに目減りしちゃってる。これがじつに異常事態なわけだ。

 もともと為替スワップってのは「いざというときの保険」という性格を強く持っていて「実際には使わないけど、これがあると安心だ」という感じで保持するのが普通だ。

「自分(政府と企業、国民)が安心する、ということもあるし、対外的にも信用が上がる。だって別財布に600億ドルばかしをパリッパリのドル札で持ってるのと同じだもん、いざというときにはそのドルで耳を揃えて払ってやるぜ! てやんでえ!」という感じ。

 ところが、韓国、スワップ枠ができたと同時に、もう今バンバン使ってる。

 不思議なのだ。

■意味合いはふたつにひとつ

 今現在、すでにスワップ枠に手を出してる理由(の可能性)はおおまかにふたつあると思う。

(1)ムンたんがアホ

 経済音痴である文在寅大統領閣下が、その経済音痴を遺憾なく発揮し、アメリカからドルもらっちゃったー、何買おうかなー、るんるん♪ となってるパターン。

 ……ま、これはいくらナンでも、さすがにありえない(笑)。

(2)今がすでにその「いざというとき」である

 最も危惧されるのが、じつはここだ。

 もともと赤信号が点滅していた韓国経済を襲ったコロナウイルス禍。それは気の毒としか言いようがないが、現実として目の前に迫る危機がウォンの暴落だ。

 以前から危惧されていたウォンの為替レートは、今まさに「防衛ライン」の1ドル=1200ウォン前後でうろうろしてるところだ。これ以上さがるとウォンは「売りが売りを呼ぶ」状態になり、歯止めがきかなくなる。

「貿易立国の韓国だから、ウォンなど多少安い方が有利だろう」と思う人もいるかも知れないが、もはや現状はさにあらず。

 多くの韓国企業が借りてる債務はほぼドル建て。ここはウォンがローカルカレンシー(地域でしか通じない通貨)であることの悲哀なんだけど、ドル建てでしか外国からの融資は仰げない。そしてその借金の必然として、ドルが高くなれば借り手は不利になる。つまりウォン安ドル高が本格的に進むと、いよいよ借金が返せなくなる、ということなのだ。

 だから、韓国の通貨当局および韓銀はウォンを防衛した。

 せっかくのスワップ枠を使ってでもウォンを買い支えた(←本当は直接というわけじゃない*)。そのせめぎ合いが、おそらく今。

■この数ヶ月、ウォンで儲けるのは簡単だった

 この数ヶ月、正直言ってウォンで儲けるのは簡単だった。ウォンが下がれば買う。やがてムンたんが防衛してくれるから。ウォンが上がれば売る。海外ヘッジファンドが売り浴びせてくれるから。

 選挙前だからということもあって、確実にそうなり、ヘッジファンドは儲かり、私などもちょっとだけ儲かり、ムンたんは外貨をはたいてくれた。

 それも今日までだ。なぜなら今日が韓国総選挙の投開票だから。文政権はもはや多少のウォン安は容認するだろう。と、そこに今後コロナ後の大不況が襲う。

 しかし、それはじつは韓国一国に限った話じゃない。もしかして、韓国が不況の一番最初の震源地になり、そこから世界恐慌に発展しかねないのだ。

 かつて炭鉱夫たちは最初の坑道に入るとき、カナリアを持って入ったという。酸素不足や異常ガスの発生などがあったら、カナリアがまずは騒いで次いでぐったりして身を以て教えてくれるから。

 韓国経済は常に世界経済のカナリアだった。

 そのカナリアが、今バタバタと鳴き叫んでいる。

 我々はいったいどう身構えるべきなんだろう**。

 この項、じつはまだ次号に続く。

*ドル放出は1に韓国企業を救うため、そして謎の外貨準備高「4000億ドル」は真水部分でもはや枯渇しているという噂がある。ドル使用は玉突き的な見方であります。

**もちろんヒキタ個人の私見です。

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【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『晩年』太宰治著 新潮文庫

 この『晩年』ってのは、太宰作品の中でも私はかなり好きな方なんだけど、高校時代に「なんて新しいんだ!」と思ったオムニバス風の表現手法もあってね(『葉』とか『思い出』とか)、言葉の端々を今でも「新しい」と思う。

 全編、一見、関係ないような短編の寄せ集め。でありながら総体として『晩年』。なおかつ、たとえば『撰ばれてあることの恍惚と不安…』とか完全に引用でありながらも、完全に太宰。今読んでも面白い。

 もちろんこんなご時世だから『晩年』なのであります。

 家に引きこもりながら『晩年』。なかなか味わい深い。

 長い話(本書内の)としては『道化の華』と『猿面冠者』がいいね。ああ、これぞ太宰。イカにも太宰。タコにも太宰。

 今となっては太宰作品、全作品タダで読めます。

 Kindle Unlimitedどころか、普通に青空文庫でもどうぞ。

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【ヒキタ関連Kindle本】

「平成バブル物語 〜60年代生まれのための東京バブストーリー〜」(田崎仁志著)

「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集

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「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社

「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍

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「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社

「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫

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「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍

「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版

「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書

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「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店

「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社

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