ヒョンデEVを「最高」と報じる日本メディアの986号

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    ヒョンデEVを「最高」と報じる日本メディアの986号

■「日本車危うし」だそうな

 ヒュンダイあらためヒョンデ自動車が日本市場に再進出ということで、自動車雑誌にこんな記事が載った。
 筆者はK沢光宏氏、まあある意味「札付き」の方ではある。

【こ、こいつはヤバイ!! 日本車危うし!? 日本再上陸のヒョンデEVに乗ってわかった最新韓国車の驚くべき実力!!】
https://bestcarweb.jp/feature/test-drive/382968

 まあね、あんまりモノを考えてない、テキトーな与太記事だなぁといえば、それまでだけど、それにしてもK沢氏、いくら「それが芸風」でも、読者に対して無責任すぎないか。
 そもそも道交法からして、よく分かってないみたいなお方で、以前から「自転車は歩道に“戻す”べき」だとか、まあひどかったんだけどさ。

■この記事の一番のヤバさ

 と、それはさておき、もちろん今回のこの記事の一番のヤバさは、ヒョンデEV車の「燃え出す危険性でリコール!」ということにまったく触れてないところだろう。それなのに日本再進出にあたって、ネット販売のみ! ディーラーなし!(燃えたらどこに持ち込めばいいんだよ)とするヤバさ。
 きっと色んなところテスラ戦略を真似たんだろうなぁとは思う。でも無理ありまくり。
 なにせ、駐車中のクルマがいきなり燃えるんだよ。

 北米で大量リコール、駐車中に燃えるから屋外駐車推奨(!!)の同社EVが50万台。原因いまだ詳細不明。
 これは、つい先日のCNNなどで報じられた通りでありまして、状況はちょっと信じがたいし、いまだに未解決。これによって今後のヒョンデ経営がかなり危うい(つまりアフターサービスも期待できないことになる)ことは、それこそ「燃えるクルマを見るより」明らかだ。

【現代自と起亜、米国で50万台近くリコール 発火の恐れで屋外駐車呼びかけ】
https://www.cnn.co.jp/business/35183266.html

 とまあ、こうした事実を一切ふせて「最高だ」「驚くべき実力だ」と喧伝するのは、ジャーナリズムとしてどうなんだろうか。

■文字通りの「貧すれば鈍す」

 このEVの乗り味や、ヘッドライトが応接間みたい(で素晴らしい)とか、そんなことは知らんよ。
 でも「へー、そんなにいいんだ」と思って買った人が、その後どうなるか、ヒントを提示するのが、こういうジャーナリズムの仕事のひとつなんじゃないですかね。
 しかも、ネット販売オンリーでアフターサービスも心許ない中での700万円。
 正直申し上げて「だれが買うもんか(笑)」で、私の危惧は杞憂に終わると思うんだが、こういうのが雑誌の信頼をさらに落とすだろうなぁと思わざるを得ん。正直ヒョンデからカネでももらってんだろうなぁと思ってしまいます。雑誌も、ライターも今はつらい時期だから。
 あ、「こいつはヤバイ!!」と言うのは、そこがヤバいのか(笑)。
 でも、どうせカネもらってるならば(知らんけど)「日本市場ではこれじゃ売れません」とヒョンデに直言でもしたらよかった。
「日本人はそういう隠蔽とかウソとかリスクをことのほか嫌うのです」
 そう言って、販売戦略見直しを提案した方が、はるかにお互いのためになっただろうに。
 ま、無理だろうけど。


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『これからの「正義」の話をしよう』 マイケル・サンデル著 早川書房

 ちょっと前に読んだ。
 有名な「1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、その1人を殺すべきだろうか?」って問い。あれが流行った理由は本書にあったりする。
 新自由主義、功利主義が全米を覆い尽くしていた中、揺り戻しの代表格がおそらくサンデル教授で、そのあたりアメリカ人なら「そうだよ、共同体全体のことを考えなくちゃ」と思ったりしたんだろう。
 古今東西の哲学者の口を通してペダンティックな哲学論争が(けっこう延々と)続き、最後の最後にサンデル教授の正義がほんの少し語られる。
 でも正直なところ、日本人には「うん、まあ、そうだよな」「そこが考えどころだよな」という以上のものではないんじゃないかという気がした。
 私の読みが浅いのかな。いや、そうとも言い切れないような。
 強いて言うと、昭和40-50年代の「日本は最も成功した社会主義国だ」みたいな状況について「あの頃はよかった」と素直に思える人は、本書に好感を持つと思う。


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「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
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「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
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「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
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「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
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