世に「疑似科学」のタネはつきまじの985号

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      世に「疑似科学」のタネはつきまじの985号

■位置エネルギーを持つ天然水って?

「高エネルギー天然水」がヤバい!(←素晴らしい!の方)と、話題になってるんだそうな。

【標高2000m以上で採取。知っていますか? 位置エネルギー。地上(基準面)から高い位置にあるほど水の持つエネルギーは大きくなります」】
https://matomebu.com/wadai/twitter20220131/

 ツイッターなどによると、こういう反応。

「自然のエネルギーがたっぷりのお水なんだって。普通のミネラルウォーターよりちょっと高いけど、口コミがすごくいい。体がスッキリするとか、お腹の調子が良くなったとか…、どうせ毎日飲むものだし、せっかくだから試してみようかな?」

 ふーむ、2000メートル級の位置エネルギーを「独自の技術でボトルに詰め込んだ」か。
 もうノーベル確実の技術だなぁ(笑)。

 ま、ネタ記事だとは思うけど、こういうのに3000も4000もいいねが付くんだから、いやまあ、日本の理科教育はもう少し考えた方がいいかもしれない。

【あ、たねあかしがあった。】
https://www.koregasiritai.com/high-energy-mineral-warter/

 というわけでネタ確定(笑)。
 ふむふむ。それはいい。でもね、これと同ーんなじ、似た構図の経験を、私、したことがあるんですよ。
 ずいぶん前。まだ芝浦のタワーマンションに住んでた時だ。

■基本は「大きなお世話」だよ(笑)

 なんだっけ、当時(もう10年も前だ)地上47階建ての33階、しかもオール電化マンションに住んでましてね。窓から見える風景はもう現実離れした別世界。高火力IH調理器とかも普通にあったわけですよ。
 ここで小さい子3人の子育てをしてた。
 するとね、周囲(の一部)から「タワーは子供の生育に悪い」とか「電磁波は危ない」「妊婦なんてもってのほか」とか、うるさく絡んでくるのが、どこからともなく湧いてくるわけ。
 今で言うなら「ワクチンにはマイクロチップが入ってる、打つな(初期に流行りましたね・笑)」とかと同じテイストね。
 で、何だかんだで、メールとかFacebookのメッセージとか送ってくる。頼まれもしないのに(笑)。
 基本は「るせーな、余計なお世話だよ」というのが私のスタンスだったんだけど、そゆことをいうと、余計に「いや、こんな事例がある」「とにかくタワマンは危ない」とか言ってくる。
 いやね、こんな事例って、そりゃあくまで特殊な事例でしょ、10万人も住んでれば1人くらい「高層階だから人を殺したくなった」みたいなキティなことを言う人も出てるでしょうが。その因果関係、エビデンスを示しなさいよ、って(笑)。
 …なんて言いたいところだが、こういう人にそういうコトを教え諭しても仕方ない。太陽に近いから電磁波も紫外線も強いはず、なんて言う人たちだから。だったら高原地方の人はどうなんだって(笑)。

■毒をもって毒を制す?

 で、一計を案じて、こんなこと書いてみた。

「たしかに高層階というのは、特殊かもしれません。
 毎日、33階に住んでいて思うのは『ここから落ちたら絶対に死ぬだろうなぁ』ということです。そして、今ここに住んでいる私は、毎日エレベーターで地上まで上下しているわけです。
 エレベーターというのは、いわば33階の『致死エネルギー』を薄めてるだけなのではないでしょうか。
 だから、日々、身体に致死エネルギーがたまっていき、何か身体に変調をきたすような危険があるのかもしれません。これは確かに危ない。私もそのうち引っ越そうと考えています」

 すると、そのヘンな方々は「そうだろそうだろ、ヒキタさんもようやく分かっていただけましたか。だから危ないと言ってるんです」とか納得し、そのままどこかに消えていった。
 何が「だから」なのかよく分からない(笑)。でもまあ、私としては助かった。

 それにしても地上33階の「致死エネルギー」か…。おれもよく考えついたな(笑)。
 高層ビルばかりのオフィス街に勤める人たちはどうなんだ、という至極真っ当な指摘については、……、そんなのは(∩ ゚д゚)アーアー聞こえなーい、と知らないフリするのが、お・約・束・♪

 

【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『トンデモ本の世界』 と学会著 宝島社文庫(ヒキタが読んだのは洋泉社版)

 1999年発刊の名作。
 世の中には、こんなにトンデモないことを主張している本が数多ある、という一種のブックガイドだ。
 最初読んだときは笑ったなぁ。で、驚いた。もうここまでスゴい認識の方々が、世に普通の顔して歩いてて、あまつさえこれらのご大層な本まで出版してる…って。
 笑いながらも、ちょっとだけ危ないとすら思った。オウムの事件の直後だったりしたし。

 あれからもう20年以上。
 ネットが当たり前のインフラになり、ほぼすべての電車内読書人がスマホに切り替わった今、トンデモ情報は減ったのか。
 いえ、もう多くの人がご承知の通り、トンデモ情報、陰謀論、ほか、すべて激増したと言っていい。
 正直申し上げて、ネットというものは、おばかさんを増幅させて増殖させた。
 もちろんおばかさんひとりひとりのバカ度を上げた(増幅)のと、おばかさんの数を増やした(増殖)という意味だ。

 懐かしいこの本を今読むと、トンデモ本の中のトンデモ著者たちは、ある意味素朴で、素直だよ。
 言ってることがシンプルで、明らかにトンデモって分かるし、読んでて笑えるもん。

 ところが今、現代社会にひそむトンデモは、一見それっぽい衣をまとい、アヤシげながらリンク先をたくさんもち、その向こうにいる架空の「巨悪」をにおわせ、それらの情報をググる人々のヒロイズムを刺激する。

 なんだか現世界そのものが、本物のトンデモ世界になりつつあるのかなぁと思わざるを得ないわけです。
 私としてはね。


【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/

【ヒキタ新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878

【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
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