80年代フォークのサムライ村下孝蔵を読み解く980号

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     80年代フォークのサムライ村下孝蔵を読み解く980号

■村下孝蔵の「謎」

 80年代フォークのサムライといえば、もう村下孝蔵は外せないと思うんだけど、なぜこの人はここまで野暮ったいんだろうかというのは長年の謎だったのです。

【代表曲のひとつ『踊り子』】
https://www.youtube.com/watch?v=oChkL_Gb_AQ

 歌はうまい、しかも美声。曲もいい、しかも万人受けする日本的メロディ。
 ところが見た目が「野暮なおとーさん」なのですよ。普通のおとーさんじゃない、野暮なおとーさん。
 もう「地顔が」とか「髪型が」とか、そういう問題じゃない。プロの歌手ですよ。プロダクションもレコード会社もいるんすよ。もう少しナントカなったでしょうに。
 あと絶対直さない九州弁ね(笑)。

■カッコ悪いことがカッコ良い

 ところが、つい最近、ちょっと「あ、そうか」と思ったことがあった。
 なんというのか、彼にとっては「カッコ悪いことがカッコ良い」というような価値観の倒錯があったんではないだろうかと思うのです。
 だって↑上リンクの『踊り子』のギターの弾き方にしても、ベチャベチャとカッコ悪い弾き方をあえてしてるように見えるわけですよ。
 でも実は村下ものすごーくギターうまいの。それこそ異様なレベルで。

【村下孝蔵「ひとりベンチャーズ」】
https://www.youtube.com/watch?v=sw6TtxnyF3Q

【ギターが神すぎる】
https://www.youtube.com/watch?v=QXBHrCTwtS0

 しかし、このあまりにうまいギターにこそ、彼を読み解くカギがあるんじゃないかと思うんですよね。
 この人は要するに「元ギターおたく小僧」だったのだと思うのです。
「鉄道おたく」や「カメラ小僧」と同じような意味での。
 だから(おそらく)子供時代からずーっとギターを手放さなかった。常に「ああ弾いたらいいかな、こう弾いたらカッチョいいな」とか、そんなことばーっか考えてた。

■真のサムライはおたくである

 で、そういう純粋おたくにとって、見た目のカッコをつけることは、逆にカッチョ悪いわけですよ。
「身なりにかまわない、興味ない」というわけじゃない。「こういう風にダサいのがカッコいいんだ」。これは確固たる意志なわけです。
 そして、そのギターおたく少年が、曲作りに、歌に、トンデモない天才だった。それが村下孝蔵の本質なのではないか、とね。
 そうして、すべての実力をちょっと含羞の奥に隠してみせた。
 まさにサムライ。村下孝蔵は真の意味で80年フォークのサムライだったのです。


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