ウソつき自治体・東京都EV給電施設の1047号
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ウソつき自治体・東京都EV給電施設の1047号
■勝手に社会実験の期限を撤廃
ちょっと驚いた。東京都、マジ許せんな。
代官山の都道317号(旧山手通り)にある「公道上EV給電施設」の話なんですけどね。
今日(3/31)が「社会実験ラストデイ」のはずが、昨日(3/30)見にいったら勝手に予定期限を消してた。
社会実験終わったんだから、撤去するんだろうなー、どうなってるかなーとか思って見にいったら、目の前でEVの軽が通常運転で電気チュウチュウ中だ。
このウソつき具合。
今後も迷惑と危険をばら撒き続けか。
もちろんこれ、都道上の都の施設でありますが、一般の公道左端にそのまんま枠を描いて、路上駐車、給電OKとしただけ。何にも考えてない。20-30分はそのまま居続け。自転車にとってモノスゴク危険なのです。それを都が後押しするという駄目さ加減。ところがそれを「なし崩し」的に続けようとしている。それが「←イマココ」だ。
■EV路上給電がダメな理由
EV路上給電が許しがたい理由はいくつもあるんだけれど、まずひとつめが「なんのため?」という部分だ。
EVを普及させようというのは、もちろん二酸化炭素を出さないエコビークルだからだろう。いや最近はそれすらアヤシいが、それはまあ今回はおいておこう。EVは「まあまあエコ」としておこうか。
しかし、その「まあまあエコ」のために、自転車のスペースを潰すというのが分からない。
EVと自転車のどちらがエコかといえば、誰がどう考えても、自転車だろう。完全無欠のエコビークルである自転車の邪魔をしてEV、ということになると、最初から「エコのため」というのがウソなんだな(笑)というのが丸わかりだ。
■電気チュウチュウのツケが自転車に
次のダメ理由が安全性である。
路上にこれを作ると明らかに自転車の安全が蔑ろにされる。これがある限り(そして長々と給電している限り)自転車は車道側に膨らんで走らざるを得ない。それがどんなに危険なことか。EV給電車両は、要するに自転車乗りの命や安全性と引き換えに、チュウチュウ電気を吸っているのである。
もちろんまだある。ガソリン給油と比較してのEV給電の時間だ。ガソリンの方が早くすむのはご承知の通り。EVは最低でも20分から30分かかる。その時間、公道を潰すのをOKとする矛盾。なぜ電気自動車ばかりがそんなに優遇されねばならないのか。ガソリンスタンドのような給電スタンドを作ればいいではないか。または自宅で給電すればいい。
そればかりではない。じつはこの給電装置、構図としても完全に「準違法状態」にあるのだ。
■国交省はやめろといった
国は社会実験の末、とっくに「こんなバカな真似はやめます」と言っているのだ。
国土交通省道路局は、昨年5月「電気自動車等用充電機器の道路上での設置に関するガイドライン」という文書を公表した。
このガイドラインの2.1項には「充電スペースの標準的な構造、設置場所」というものが指定されており、歩道にくぼみを作り(ベイ型)そこに自転車専用通行帯を作ることとなっている。
じつはこの項の素案には、当初「ストレート型」すなわち通常の路上にEV給電装置を置くという、今回の東京都の事例のようなものが併掲してあった。
だが、国交省は自転車議連の席上で「これでは危険である」と、全削除したのである。
【電気自動車等用充電機器の道路上での設置に関するガイドライン】
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/utilization/datutannsoka/guideline.pdf
だからおれは安心していたんだ。
あれから春夏秋冬がすぎ、今日ですべてが終るさ、今日ですべてが変わる、今日ですべてがむくわれる〜♪ と思ってた。
■東京都は日本国を舐めてる
それなのに、嗚呼それなのに、なのである。東京都、あからさまにガイドライン違反、明らかな自転車の安全利用への阻害である。このバカバカしい話を、いったい都はどんな資格をもって進めているのであろうか? 国交省はダメだつったのに東京都は平気な顔してやってます。
しかも今回「ウソをついてまで引き延ばし」だ。
しかも、これ、警察すら無視してるんですぞ。
じつは警察庁は平成23年に通達を出して「路上のパーチケのようなものを今後新設するのはやめろ」と言っている(平成23年・警察庁丙交企発第 85 号、丙交指発第 34 号)。都の今回のこれは、警察すら「別にいいじゃん」でスルーなのだ。ヤンキー自治体だ。
これ、本気で思うけど、国としてどうなんだ。
完ッ全に舐められてるだろう。東京都は国よりエラいとでも思ってるんじゃないか。
■信じがたい背信行為に
これらのことは当然ながら、すべて原資は都税。
おそらくこれも(太陽光パネルなどと同じく)東京都のゴリ押しエレキ化の一環なのだと思う。外苑でもそうだし、葛西臨海公園でもそうだ。小池都政はなぜそこまでエレキ化したいのか。これまで述べてきたように、理由はエコじゃない。都民の安全でもない。社会のスムーズネスでもない。では動機はどこに?
担当部局は、東京都の産業労働局 産業・エネルギー政策部 新エネルギー推進課だそうだ。ここまで完全無欠な都民に対する背信行為も少ない。ぜひ次のURLに是非ご意見を。
【電気自動車充電器の公道設置に関するアンケート(代官山パーキングチケット)】
https://questant.jp/q/GK8MIX10
あと、画像などは私のFacebookをご参照のこと。
https://www.facebook.com/satoshi.hikita/
【ヒキタ解釈のオススメ本(あるいはオススメサイト) *たまに非オススメあり】
『不動産Gメン滝島』
https://www.youtube.com/@gmentakishima
3回連続のオススメYouTubeとして『不動産Gメン滝島』をご紹介しようと思ってたんだけど、今回はちょっと長くなったので、これはまた次回。
【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/
【好評既刊本】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
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