“やみくもPCR検査”に意味がない本当の理由の972号
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“やみくもPCR検査”に意味がない本当の理由の972号
■御ミクロン様の登場で
オミクロン株の登場で、またぞろ「なるたけ多くのPCR検査を」という論が出てきてるんですが、うーん、こういう検査ってね、やみくもにやってもまったく意味がない、ということを、もうそろそろ誰かが強く、かつ分かりやすく、言った方がいいんじゃないかと思うのですよ。
おとなりK-防疫(とやら)の失敗でもおわかりのとおり、これ、統計学的に本ッ気で意味がない。
なぜか。
そこには「ベイズの定理」というのが関わってましてね。まーったく難しくないから、ちょっと読んでみてください。ざっくり解説します。
■ベイズの定理(問題篇)
ベイズの定理ってのは何か。別名「条件付き確率」についての確率算定法なんだけど、要するにこういうことですよ。今回のPCR検査に限っていえば、ものすごく簡単。
(1)とあるPCR検査がここにあります。
検査で的中する確率が90%、間違ってる確率が10%だとします。ものすごく精密なPCR検査っていう設定です。本物のPCR検査の的中率は最大70%程度ですから(これを感度という)。
(2)ある集団、これを「日本国民10,000人」としましょうか。
この中に1%の感染者が潜んでるとします。99%が非感染者ということですね。別に不自然な人数じゃありません。ちなみに現在までのコロナ感染者173万人、日本人1億2500万人。
この状態で、くだんのPCR検査を実施します。
PCR検査で「陽性 = 感染者」つまり「検査的中!」「ビンゴ!」となる可能性はどれほどあるでしょう?
【正解】正解は 8.3%
驚くほど低いでしょ。でも、これ事実なんですよ。
■ベイズの定理(解答篇)
なぜこうなるか。
(3)まず感染者・非感染者が何人いるか、から考えてみましょう。(2)の定義から、感染者は1万人の1%で100人ですね。非感染者は当然9900人だ。
(4)では、感染者、非感染者それぞれで「陽性!」と出てしまった人は何人いるでしょう。
感染者で陽性の人は、100人×90%で、90人ですね。この人たちはモノホンの感染者だ。
で、問題はここ、非感染者で陽性の人は? つまり陽性判定と出たけど間違っていた人。9900人×10%で、990人。あれま、モノホンの10倍以上いるわけです。
(5)足して考えると、全陽性者数は90人+990人で1080人、このうち本当の感染者は当然90人。
だから、PCR検査による的中率は、感染者/全陽性者 で、8.3333…%となるってわけ。
しかも10人の感染者を陰性として取り逃してるわけですよ。くわえて、上記の試算は、有り得ないほどの高的中率・チョー高精度PCR検査の場合の話です。
それなのに、的中率8.3%。
え、9割じゃなかったの? 違います。それどころか誤判定率の方が9割以上。
……ね、こうなると、PCR検査をなんのためにやってるか、サッパリ分からない。
陽性!に驚いた人が病院に殺到して、医療現場を混乱させるだけです。
だからして、PCR検査は母集団をある程度絞り込まないと(つまり高熱があったり、アヤシい接触があったり)本気で意味がないわけです。
■無知なのか、邪悪なのか
だからね、いまだに「全員がPCR検査を」つってる人を見ると、私しゃもう何を考えているのか、と思ってしまうのです。
特にテレビなんかで「オミクロン株蔓延の兆しだ、今度こそ全員にPCR検査を!!」なんて力説してるのを見てると、本気で何か裏があるのかとすら思ってしまうわけ。検査キットを売りつけたい誰かとか、某国とか、背後にいるんじゃないのかな、とかね。
無知なら無知で仕方ない。でも、そんな愚かな人をテレビでキャーキャー言わせるのもどうかと思う。
背後に何かあるなら、これはこれで、そんなよこしまな考えを持つヤカラはテレビから排除すべきでしょう。
上記の話、しごく論理的かつ、分かりやすく書いたつもりなんですが、ヒキタのいうことなんて信じられないという方は、下記のリンク先をどうぞ。
【PCR検査の的中確率につてはこちらとか(日本疫学会と日本経済研究センター+九大)】
https://jeaweb.jp/covid/qa/
https://www.jcer.or.jp/blog/babazonoakira20200415.html
【ベイズの定理】
https://codezine.jp/article/detail/14581
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86
【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
『日本と世界 電動アシスト自転車 2000』インタープレス
ちょっと調べることがあって、こんな本ばかり読んでます。
20年前のこの本で驚いたのは、1999年、2000年あたりに、電アシ自転車が売れない時代があったということです。前年同期比80%前後が延々と続きました。
本書はひたすら「売れない理由は不況だけじゃない」「あまりの低価格競争でかえって売れなくなってるんだ」などと業界の将来を案じています。
でも、ご存じの通り、電アシ自転車はこの年から数年後、売上急成長を果たし、我が世の春を迎え、ついには全オートバイの売り上げすら凌駕する、一大産業にのし上がるわけです。
乗り越えるキッカケのひとつは、とあるイノベーションでした。
そのイノベーションとは?
はい、ご名答。リチウムイオンバッテリーの登場です。
【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/
【ヒキタ新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878
【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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