電動キックの進化と訃報の996号

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         電動キックの進化と訃報の996号

■圧倒的なハードの進歩

 先日東京ドームシティプリズムホールで“Bicycle E-Mobility City EXPO”というのが開かれましてね。電動キックボードもたくさん出品されていて、乗ってみましたの。
 意外。
 あまりに良くなってて、少々ビックリした。
 なにこれ、全然つんのめらない。
 私が乗ったのは、件のセグウェイ社が作った電動キックだったんだけど、大まかな進化だけで次の項目。

◎キャスター角がかなり寝た
 これで格段につんのめりにくくなった。
 これまでの形は「L字型」というか、ハンドルが立ってたから、ちょっとスピードを出すと、もう停まる際に必ず「おっと」だったのだ。

◎足下ボードが、堅牢かつ重くなり、重心が下がった
 なんつーのか乗る部分に「ガタガタ」とか「ふにゃふにゃ」がなくなったんだよ。ガッチリしててなおかつ重いから躯体に安心感がある。「踏ん張り感」が出たというべきか。

◎後ブレーキが強力になり、なおかつ前ブレーキだけだと効きにくくなった
 個人的にはこれが一番かなと思った。
 なんなんだろう、両手ブレーキだと割合スピーディに停まれるのに、片手だとけっこう空走距離が生じる。私しゃ意地悪に「つんのめってやろう、どうだこれで、ぎゅー」と思って、前ブレーキ(だけ)をかけるんだが、つんのめらない。で、両手でかけるとピタリ停まる。
 ふーむ、どんなセッティングなんだ、これ。

■アイディアって出るものなんだなぁ

 まだある。次の2つにも私は感心した。

◎前輪に堅めのサスがついて、つんのめり力(?)を吸収してくれるようになった
 よく見ると、前輪部分にマウンテンバイクのようなサスペンションがついている。
 これが急ブレーキの際のつんのめり力を吸収するし、理論上は軽い段差なら吸収する(←と思う。これに関しては会場内に試してみるところがなかったんで、実地としては何ともいえない)。

◎3km/h以上にならないと(つまりは蹴って助走をつけないと)電動モーターが動かなくなった
 これまたナイスアイディアで、要するに最初にアクセルがかかり「オオッと!」ということがなくなったわけだ。

 こうしたアイディアを随所にイカしつつ、最高時速が15km/hしか出なくなった(私が乗ったモデル、実走行では20km/hを想定しているのだそう)。
 ひとことで言うと驚くほど安全になってるわけだ。あれま、私はちょっと認識を新たにしましたぞ。

■もちろん問題いまだ山積

 もちろん道路マネジメントに関してはいまだにどうかとは思うわけだ。けど、うーむ、何か色々考えちゃうなぁ。うーむ…。
 私が乗ったのは、今回新たに作られたカテゴリー「小型特殊原動機付自転車」つまり「原付じゃない」タイプだ。これは何を表すかというと、原付バイクと違う部分がこうなる。

◎ヘルメット要らん(努力義務に過ぎない)。
◎歩道もOK(6km/h以下ではあるけれど)。
◎もちろん免許不要。

 ……このあたりを考えると相変わらず「うーむ」なんだな。
 そもそも「ナンバープレートをつけたビークルが歩道を平気で通れる」という制度改正に、トンデモない違和感があるよ。このあたりを含めて、続報を待て。

■訃報

 私の高校時代からの友人で、ライトノベル作家の樹川さとみさんが亡くなった。
 先日、お兄さんから知らせのハガキが来た。葬儀など内々で済ませたということで、ここで言うのもどうかと思ってたんだけど、集英社コバルト文庫編集部からも訃報が発表されていたんで、そうか、と思って。

【コバルト編集部公式・樹川さとみ先生ご逝去の報】
https://twitter.com/suchan_cobalt/status/1527530250174726144

 享年56。もともとこの数年、病気で伏せって、鹿児島にいた。
 その闘病記が絶筆となった。私が本の広告の推薦文を書いた。
 ちょっと前に「そろそろ活動再開します!」「東京に行くのはもう少し後かな」「治ったらメシでも食おうね」つってたのに、今となってはすべてできない相談となった。なんとも残念でならん。合掌。


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『メタバース進化論 〜 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』 バーチャル美少女ねむ著 技術評論社

 すまん、最初から言わせていただくが、これを読んでも結局分からんかった。『メタバース』と『セカンドライフ』の違いってなんだ?
 そりゃもちろん15年程度の時代の差があるから、同じようなコンセプトであっても、精度が違う、リアリティが違う、よりバーチャル、よりハイクオリティ、没入感、五感の刺激ほか、あるんだろうとは思うけど、本質的な差が分からんのでありますよ。
 パソコンの中に第二の世界があるってんでしょ。
 で、それがリアル社会と地続きだっていうんでしょ。そりゃまそうだろうが、そのコンセプトって前々からあったんじゃね? という話。
 このいわば「第二の世界」が魅力的になるのか、ならんのか、それはおそらく使い手次第なんだとは思うのよね。それを否定はしない。
 ただ、Facebook社がMeta社になっちまうような、圧倒的な未来感を感じるかと言えば、それは否だ。
 結局のところ、一度失敗したアレとの違いが、なんだかよくわからんのよね。


【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/

【ヒキタ新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878

【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
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