「おれはいやだ」という同調圧力の1044号

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      「おれはいやだ」という同調圧力の1044号

■社員旅行はイヤですか?

 社員旅行はイヤですか? と言われたら、大抵の人は「イヤです」と答えるじゃないですか。
「上司や部下に気を遣わなくてはいけないし」「せっかくの休日に強制されるなんて」「いつも会社で見てる同じメンツで旅行なんて、ちっともくつろげない」などなど理由はたくさん出てくる。
 正直申しあげて、どちらかと問われれば、私もイヤ側(笑)。そんなに好きじゃなかった。
 で、平成令和を通じて社員旅行みたいなカルチャーは徐々に衰退していった。
 伊東や熱海などの大規模温泉旅館がずいぶん前から危機感をおぼえ、「次の手」を打ってるのはご存じの通りだ。というか、伊東や熱海の大旅館って、昭和の時代はテレビコマーシャルをバンバン流してたからね。一種の産業、「社員旅行産業」だった。

■そこまでイヤだったかな?

 でも、一方で、あれも悪い部分だけじゃなかったなぁと思わないわけでもないのですよ。
 いつも会社で見てるメンツだけど、あ、意外な一面、なんてのが見えたり。浴衣姿の女性同僚がヘンに魅力的だったり、酔っぱらい上司のワケワカ説教がループをはじめて、いつの間にやら周りに誰もいなくなってたり(←これは悪い例・笑)、とね。
 つい先日亡くなってしまった私の元上司は、とにかくそういうの(社員旅行とかのイベント)が大好きで、色んな旗を振りながら、部下を鼓舞しつつ、大笑いしつつ、大騒ぎしつつ、色んな演し物をやらせつつ、トリは自分の十八番カラオケ・オンステージでみたいなプランを練り、その通りに実行した。
「なんだよ、ノリが悪いな、もっとブワーッといこうぜ、ブワーッと」みたいな昭和オヤジ。で、ちょい悪。
 誰もが苦笑いしつつ、でも、この元上司のことをみんな好きだった。

■「カッコ悪い」「カッコいい」という価値観。

 で、考えるのですよ。
 いろいろなファクターを思いつつ、「社員旅行」みたいなワードって、「イヤです」と言った方がカッコいいんだよね。
 好き嫌いというより、ポリティカルに正否な感じ。イヤだと言った方がコレクトなわけですよ。
「おれは社員旅行みたいなものは嫌いです」と言った方がカッコいい、というより、「社員旅行好きです」と表明するのがカッコ悪い。
 誰かが「楽しみだよ」と言ったとする。するとみんな「えーっ?」「なんでー?」「ナニがいいのーっ?」の大合唱だ。社員旅行ってのは「いやがらなくてはならない」という同調圧力がある。だから「社員旅行はイヤなもの」というのが常識となった。
 とまあ、私はそう感じるのよね。

■大ヒットの理由

 TBSのドラマ『不適切にもほどがある』が大ヒット中の理由の一部はそういうところなんじゃないかなと思う。
 あのドラマ、ご承知の通り「中学の体育教師」が昭和の世界から令和の世界にタイムスリップして、色々価値観が違ってすったもんだ、という話だ。で、この昭和の価値観ってのがヒットの秘訣でね。
「否定はされたけど、ダメだとされるけど(いやホントダメだよ、分かってる)、でも、まるでダメ、100%ダメというわけでもなかったよ」という部分を持ってるからこそ、ウケたんじゃないかなと思うのだ。
 社員旅行。
 やだー、きらいー、だめー、うん、分かる。でも、それだけじゃなかったよ、思い出してみると、と、そんな話。


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『エロ本水滸伝』池田俊秀著 鈴木義昭責任編集 人間社文庫

 元白夜書房の編集者による、昭和のエロ本物語。いろいろなエピソードのと回顧録の寄せ集めなんだけど、全体を通じてみると「戦後のカストリ雑誌時代」と「アダルトビデオ出現以降の現代」の間にあった「紙のエロ本」の興亡が浮かび上がってくる。ビニ本の登場とか、ウラ本の摘発とかいろいろと。一番「ああ、そうだったのか」と思うのは、エロ本の世界、ピンク映画の世界、というのが、一般社会と地続きだったということだ。
 そういや、そうだったかも。一般社会の中に、エロや、ヤクザや、ナニやらがグラデーション的にあったじゃないですか、あの時代。白と黒だけじゃなくグレーな地帯がいろいろあった。
 今は二極分化してるもんね。まっとうな社会と、ウラ社会が。そこが昭和と令和の違いだ。
 知らないことばかりで色々驚く。たとえばあき竹城さんという女優さんいるじゃないですか。彼女はもともと「ヌード・コメディアン」という独自のジャンルを切り開いて、業界内では注目株だった、とか。はたまた有名な愛染恭子さんという人。元は青山涼子さんといって、もう若い頃から「わいせつとは何か」の求道者みたいな人だった、とか。


【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
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「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
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【好評既刊本】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
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「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
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「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
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