【復刻版】タバコをやめて幾年月の802号

 3年前のメルマガでこれ。
 そうかー、ということは、禁煙してもう10年くらいになるのかなぁ。考えてみれば悪いコトなんてひとつもなかったな。でも、おれだけじゃない。みんな禁煙した。街のタバコの吸い殻もホントに少なくなった。

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         タバコをやめて幾年月の802号

■今から思うと信じがたい

 いやー、完ッ全にタバコをやめてから、何年になるかなぁ。
 もうタバコのことを思い出すことも、ほぼなくなった。
 リアルな私を知っている人なら、かつての私がかなりのヘヴィスモーカーだったことを憶えてると思う。少なくとも1日1箱は吸ってたからね。飲み会のときなんかは2箱。文字通りのチェーンスモーキングだ。
 今から考えると信じがたい。
 長男(10歳)が生まれたときに、やめた、……はずだったんだけど、自分の中で、逃げ道ルールをいくつも作っててね、「飲み会のときは仕方ない」「講演前の緊張時には1本」なんてことで、ちょこちょこ吸っていたもんだ。はらほろひれはれ(@∀@;)。でも、もうこの数年は1本たりとも吸ってない。飲み会の席であっても、テレビの本番前であっても、何であっても。
 逆にうっすらタバコの匂いが漂ってくると、うげ、くさい、迷惑、やめて、はらほろ、と、タバコの漂ってくる方面をにらんだりする。あが、そこにいるのは「かつての私」なのに。勝手なもんだ。
 あと、駅構外の喫煙コーナーなんかも、避けて通っちゃったりするね。くさくて煙いから。新橋駅のSL横とか、恵比寿の恵比寿像前とか、こんなメジャーなところに喫煙所を作るのはやめちくり、と思う。
 かつての私は「もっと喫煙所を」とか「禁煙の居酒屋なんて、なんのための居酒屋だ」なんて思ってたくせに。
 あー、人間って勝手なもんだ。
 みなさま、あの当時は、ご迷惑をおかけしました。私は人間エントツでした<(_ _)>。しかも有害ガス噴出の<(_ _)>。申し訳ない<(_ _)>。

■当然ながら、イイコトばかり

 禁煙した人、誰もが言うことなんだけど、正直、タバコをやめたらイイコトばかりだった。
 何よりも「自由」を手に入れた。
 それまでは、あらゆる場所(パーティでも飲み会でも遊園地でも)に行くとき「そこはタバコを吸えるかしら?」なんて考えたもんだ。でも、その必要がなくなった。すると、どこにでも行ける。精神的にも自由だ。おまけに、あらゆる行動が少しずつ積極的になってくる。
 食べ物もうまくなる。身体や服がタバコくさくなくなる。壁が汚れなくなる。いちいち「すいません、ここでタバコを」と断らなくてもよくなる。海外で喫煙所を探さなくてもよくなる。などなど。あとお小遣いも増えるね。もちろんタバコ買わない分だけ。
 私の場合、さらに副次的なイイコトがあって、それは「足汗をかかなくなる」というものだった。
 じつはワタクシ、季節を問わず(冬でも)靴の中で常にうっすら汗をかいていた。だから、家に帰ると、すぐに靴脱ぎ、靴下脱ぎ、板敷フローリングの床を踏むと、ペタペタと音がしたものだった。会社にいてもデスクにいると、すぐに靴を脱いでしまう。靴の中が汗でじとじとするから。
 これがピタリとなくなった。
 そうだったか、足汗はタバコが原因だったのか…。
 たしかに「ニコチンは多汗症の原因となる」という研究結果も出ていて、なるほどな、と思う。

■飲み会こそがクセモノで

 もうさすがに何とも思わないけれど、飲み会でタバコを吸えないのが一番ツラかったね。少なくとも私の場合、激烈にそう。数多の飲み会で何度禁煙を挫折したことか。ほんと酒飲むときは吸いたくなるもんなんだよ。痛いほどにタバコが欲しくなる。
 最後には「飲み会の時は例外」と開き直ってしまった。で、飲み会のたびにニコチンを摂取する。こうなると、タバコを常時吸ってるのと何ら変わらん。しかも日々の「吸いたい誘惑」との戦いが、まったく楽にならん。飲み会のたびに、せっかくのノンニコチン生活をリセットしてるようなもんだから。
 ということで「飲み会時にタバコをやめる」ことこそが、私の最重要課題だったわけだ。
 どうしたか。
 おそらく「禁煙外来」とかに行ってれば「これがそういうときの薬です」とか何とかくれたのかもしれないけれど、私は一切その手合いに関わらなかったために、もう自分で我慢するしかなかったわけだ。
 で、編み出した秘策が「わさび」だった。

■秘密兵器は「わさび」?

 刺身とか頼む際、店の人に「わさび一皿、別におねがい」と頼む。するとたいていは、醤油皿に山盛りにして出してくれる。「そんなに要らんよ」というほどね。
 このわさびを「タバコが吸いたいっ!」と思うたびにベロッと舐めるわけだ。梅干しのタネほどの大きさ。んで(ここが重要なんだが)鼻で息をする。
 すーはー、す…、あがががががが、ぐはっぐはっ、当然ながらトンデモない刺激で、タバコを吸ったときに得たいあの「ガツンとくるニコチン刺激」の代わりになる(笑)。いや、代わりになるわけはないんだが、刺激の絶対値はわさびの方がはるかに上でね、タバコへの渇望が一瞬にして吹っ飛ぶ。
 で、しばらく耐える。涙が出てくる。周囲からは「何しとんじゃ」という目で見られる。でもいいのだ。「いや、失礼失礼、がはっがはっ、ぐほっぐほっ」とかいいながら、ビールを一杯。
 このあたりで、吸いたい欲求が、かなり薄れてる。
 経験者はもちろんおわかりと思うが「タバコを吸いたい」という誘惑は、波状攻撃でやってくる。で、その「吸いたい波動」は5分程度続く。……というより5分程度しか続かない。
 だからして、その5分をいかに乗り切るかが、禁煙最大のコツだと思うのだ。
 私の場合はわさびだった。
 もしもこれを読んでる人で「禁煙したいんよ、タバコやめたいんだけど、やめられんのよ」と思ってる人は、ぜひお試しを。このメソッド(少なくとも私には)けっこう効いたと思いますぜ。そして、何より一番重要なことは「タバコをやめて失うものはなにもない」「得るものばかり」という厳然たる事実だ。
 とまあ、そういうことで、今の私はようやくタバコなしのシアワセを噛みしめている。

■さあ、今週末は、サイクルモード♪

 今回の私のステージは、11/9(金)14時と、11/11(日)の13時。
 金曜日の方は黙ってても、人、たくさんくるそうなんで(笑)、私のオススメは日曜日!
 日曜13時、幕張に来てちょ〜♪
 結構カッキ的かつ面白い研究発表でありますよ♪

【サイクルモード・ステージスケジュール】
http://www.cyclemode.net/event/main_stage/
【11/9(金)1400〜JBCF緊急提言!「e-bikeで大きく変わる!モビリティのこれから」】
http://www.cyclemode.net/event/detail/11/
【11/11(日)1300〜 ヒキタ単独ステージ「いざ津波、そのとき自転車で逃げろ!」】
http://www.cyclemode.net/event/detail/15/


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『毒男の婚活』原口博光・岩崎大輔著 講談社

 前回に引き続き「だから何でこんな本、読んでんだ(笑)」という本。
 今回は前回の逆。婚活の「男版」ね。毒男は「どくお」と読む。つまり「独男=独身男」を指していて、独身男が自らを揶揄して自称する言葉だ。
 その毒男たちの体験談と、アドバイスと、問題のありようと…、つまり、描かれた構図は前回の『となりの婚活女子…』と同じなんだけど、自分(ヒキタ)が男だから、前回のよりもっと「あるある」と楽しめた。いや、楽しんじゃいかんのかもしれんが、楽しめた。
 総じて言えるのは、毒男、マジメだってことだよね。いささか生真面目すぎるほど。で、いいヤツばかり。キモいって? んなこたない、それどころか本書に出てくる男たちは、友達になりたいやつらばかりだよ。いや「友達に」どころか、タイミングを間違えたら、自分自身が毒男だったと、私ヒキタは思う。
 しかし、それにしても、同じ婚活でも男女の違いは歴然だ。
 婚活女子にはまだどこか余裕があるし、自尊心があるし、若干の明るさがあるんだけれど、毒男は違う。ひたすらマジメで、自らを卑下し、なんか諦めの境地にある。その「枯淡」ともいうべき味わい深さが、彼らの魅力の1つだと思うんだが、うーん、まあたしかに恋愛には向かんかもしれん。そこの部分、「本人の味わい深さは分かった上で…、でも、違うぜ、今はそのときじゃない。毒男の“毒”を抜こうぜ」というのが本書。
 ファッション、結婚情報サービスの使いこなし方、自己紹介のしかた、写真の撮られ方、いつもにこやかに、失敗を恐れるな……、アドバイスはひたすら丁寧で的確でマジメだ。

 本書はラストに、経産省キャリア官僚として少子化に取り組んだ原口氏の経験と、退官にいたるまで、そして、国の少子高齢化対策がいかにピントはずれか、が、述べられる。
 なるほど、私はここで原口氏の言いたいことが、すとんと腑に落ちるのだ。
 現在の「アンチ少子化」政策は、結婚後の話ばかりだ。
 でもホントはそうじゃなくて、今なすべきは「アンチ非婚化」である。この「腑に落ち」方は、田崎仁志氏の言う「バブル時の恋愛事情」と、ものすごーく通じるところがある。私も思う。非婚化はバブル時代に始まった現象だから。……でも、それはいったいなぜだろうか?
 そゆわけで、こちらの方も是非どうぞ(笑)。

田崎仁志著「平成バブル物語 〜60年代生まれのための東京バブストーリー〜」
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/


【ヒキタ最新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
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【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
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