路上の差別主義者たち!の913号

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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト ”Weekly Bicycle Tourkinist” ┣━┓
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        路上の差別主義者たち!の913号

■ワイドショーが戻った

 いやまあ朝昼のワイドショーのトップ項目が、ようやくアンジャッシュ渡部とかに変わってきて、その渡部の不倫報道について、石田純一が「先輩としてコメント」なんてことに展開し、あまりのくだらなさ、ドーデモよさに、心温まる思いだな。ああ、コロナもよーうやく下火になったか…。
 まだ油断禁物とはいうものの、このままあのいとおしい日常を取り戻したいね。
 昨夜、本気でひさしぶりに(じつに4ヶ月ぶり!)赤坂で自転車業界の人とホルモン焼きの店に行ってきましたよ。赤坂の夜。なんだか懐かしかった。
 みなさま、お久しぶりです。お元気でしたか(;_;)。

■前回の反響

 前回のメルマガには色々反響がありましてね。
 意外なことに「自転車あおり運転、共同通信あおり過ぎ」部分ばかりではなく、「桶川のひょっこりはん」部分でもなく、もっとも共感が多かったのが最後半部分だった。
 私の友人の放送作家・シマダ秀樹さんがちょっと長いメールをくれたんで、そのまま引用だ。
 私もうんうん頷きながら「そうだよそうだよ、路上には無言の悪しき差別主義があるんだよ」と思ったことでありました。

■シマダさんからのメール

 こんばんは疋田さん、多目的トイレを使ったことがないシマダです(笑)

 ワイドショーに限らず、ヤフーニュースのひょっこりはんの記事でも、書き込みコメントのほとんどは「いつも自転車が邪魔だ」「免許制にしろ」「ナンバープレート付けろ」と、クルマから見た自転車への一方的な、ひょっこりはんとは関係ない罵詈雑言があふています。
 いつも思うのですが、この国では、すぐに世論が一方向に行く傾向があります。東出の不倫、今なら叩いていいとなったら全員一致で悪口しまくり。木下優樹菜のパワハラ、今なら言いたい放題だーっ、と、みんなが一斉に一方向の攻撃に動く。
 ついこの前まで人気ママタレの上位にいたのに誰一人擁護しないし反対意見を言わない。これは恐ろしき国民性です。戦争に突き進んだときも、こんなふうに一方向に乗りやすい国民性が関係したんだろうなぁと思ったりしています。
 日本人ってのは本当に自分より弱い者をいじめるのが大好きで、僕は礼儀正しく高尚な国民などとは微塵も思っていません。1人の弱い者、失敗した者を吊し上げるのが大好きな国民性、日本人の最も醜く汚い部分です。
 実はこの弱い者いじめ大好きの国民性から思うことがあるのです……。

■クルマからのイヤガラセ

 桶川のひょっこりはん。
 どうしようもないクソ野郎だとは思いますが、じゃあ逆に自転車に嫌がらせをするクルマはいないのかといったら、おそらくクルマに嫌がらせする自転車の1000倍以上いると思います。

 僕の地元の国道135号線っていうのは、制限速度が何km/hという標識がない。
 もちろん法令上は「標識がない一般道では制限速度60km/h」ってことになっていますが、道がすいてたら80km/hや100km/hでかっとんでるクルマをフツーに見かけます。
 しかし、勝手にかっとんで自爆しているならいいのですが、自転車の横スレスレをわざと80km/hくらいでかっとんでいくクルマとかトラックとかが、けっこういるのです。
 時速30km/hくらいで走っている自転車の横を80km/hのクルマが抜けて行ったらどうなるか?
 その風圧でよろけたり、吹き飛ばされて転倒しそうになったりします。
 僕が思うにこれはクルマに乗ってるやつが
「あんなところに自転車がいるぜ」
「よーし、ギリギリを通過して脅かしてやれ」
「接触しなきゃいいんだ」
「風圧で飛ぼうが転倒しようが、そんなもん自転車の自爆だろ」
「普段から自転車にムカついているから成敗してやれ」
「ストレス解消だ」
 みたいな感じで、他の自転車でイラついたことを、まったく関係ない自転車、それも道路交通法に従って車道左端を走っている自転車に向けて発散しようとしてる。そういうやつがたくさんいるのです。自転車をひとくくりに考えるのです。

■あおり運転どころか威嚇運転

 で、こちらはスピードではかなわないし、多くの自転車にはドライブレコーダーなんてものがないから、そのまま泣き寝入りとなる。そして自転車を脅かしてスカッとしたクルマは、また自転車を見つけて気が向いたら高速すり抜けをして楽しむ、みたいなことをやっているわけですよ。
 なぜ偶然ではなく、意図的だ、楽しんでいると言い切れるのかというと、そういうクルマは追い越し車線が空いているのに、わざわざ左車線を猛スピードで走ってきて、自転車とギリギリのところをすり抜けていくのです。
 こういう輩は、僕の地元の湘南に限ったことではなく、東京の246や靖国通りでも出会いました。
 早朝5時とかのスカスカに空いてる三車線で、わざわざ一番左の車線を猛スピードで走ってくるっていうのは、悪意以外の何物でもありません。
 こういうあおり運転ならぬ威嚇運転のクルマは、あまり報道されていないだけで、じつはとんでもない数がうごめいていると思われます。

■路上の差別主義者たち

 昔、僕はポルシェ911に乗っていましたが、そのときは他のクルマにクラクションを鳴らされるなんて1年に1回か2回しかありませんでした。
 それも信号が青なのに僕がぼーっとしてたとか。人生で3台のポルシェに乗り、その後、仕事が沈み、それでポルシェは売却して中古のマーチに乗り換えました。
 するとどうでしょう。乗るたびにクラクションを鳴らされるのです。横浜横須賀道路で前が詰まっているのに後ろのフェアレディがクラクションを鳴らしてきたり(マーチごとぎが右車線走ってんじゃねーみたいな)世田谷通りで多摩川を渡る時、道路工事で2車線が1車線になるから右車線に入ろうとしても、ハリアーがブロックしてきて絶対に入れないように嫌がらせされて工事現場に突っ込みそうになったり。
 マニュアルのポルシェに3台乗り継いできたことからも自信を持って言えますが、これは僕のドライビングテクニックの問題ではない。明らかに、小さいクルマ、安いクルマへの嫌がらせなのです。
 日本では、ベンツ⇒大型の国産車⇒小さい国産車⇒オートバイ⇒原付⇒自転車 みたいな感じで階級があると思っているバカが多くて、自分より、小さい、安いと思ったら勝手に偉くなったつもりになって、嫌がらせしてくる輩が大勢います。
 この貧乏くさい国民意識が変わらない限り、日本はずっと自転車後進国のままなのではないか、と思ったりするのです。

 シマダ


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『ひまわりっ』東村アキコ原作 テレビ宮崎開局50周年記念番組

 このコーナー初めてのテレビ番組。
 タイトルを観ていただければ分かるとおり、私の出身県・宮崎のご当地スペシャル番組です。いやー、もう噂には聞いてたんですが、こんげも宮崎宮崎しちょるとは思ちょらんかったとですよ。
 考えちみれば宮崎県民に見せるちゃかい、宮崎弁もリアルじゃねといかんとですよね。高橋克典さんの宮崎弁のやり過ぎ度がなかなかいいです。私のラジオの相方・石井正則さんのニコニコ宮崎弁もいいです。主人公の平祐奈さん可愛いです。浅香唯さん「主人公の母親役」をやるようになっても相変わらず可愛いです。宮崎弁はもちろんネイティブです♪
 ちらりと映るサンAオレンジジュースとか、木挽きとか、腰なしうどんとか、もう宮崎あるあるだらけで、笑ってしまいます。こりゃもうどんげなところじゃろか、と、本気で宮崎に行きてーなっちゃが。
 1話15分ですからお気軽にどうぞ。
 普通に楽しいです。笑えます。
 今ならTVerで無料。
 もうすぐ消えちゃうんで(第1話は明後日の朝(6月15日(月)09:59 終了予定)まで)今すぐっ!急いでっ!ひまわりっ!

【TVer「ひまわりっ ー宮崎レジェンドー】
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「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
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「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
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「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
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