ツラの皮が厚いというより…の1053号

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        ツラの皮が厚いというより…の1053号

■兵庫県の斎藤知事

 兵庫県の斎藤元彦知事については、各種報道でご存じの通りだと思うけど、もう出るわ出るわ、腹立つ事例がてんこ盛りで「なんだこいつは」と日本全国、誰もが思ってると思うのです。
 イイトコロがひとつもない、少なくとも出てこない、で、県庁内にも味方がほぼいない。誰もが単に「辞めるのを待ってる」状態だ。

【一連の経緯・兵庫「おねだり知事」なぜそこまで勘違いできたか(東洋経済)】
https://toyokeizai.net/articles/-/782679?display=b

 それにしても不思議なんだが、なんで辞めないんだろうなぁ。

■自分から「ドツボ」に入り込む?

 こんなに有名になってしまったからには、再就職も難しかろう。
 もっと早くに辞めておけば、もしかしたら親戚縁者や知人のツテでも使って、どっかの◎◎役やら◎◎長やら何やらに潜り込めたかも知れないのに、今となっては到底無理だ。
「え、あの斎藤元知事? パワハラの? ヒソヒソ」と誰からも思われてしまう。自分でもそれくらい分かってるだろうに、それでもしがみつく。不思議だ。なんだろう、ある種のドツボにハマってしまって、そこから動けない、もはや意地、という感じになってしまったのかなぁ。
 東大-総務省の46歳か。まだまだ人生折り返し地点程度だろうに。

■身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

 以前、私が世話になった人(もうかなりのおじいちゃん)が、常々こう言ってた。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
 このヒトは、世間的には非常に毀誉褒貶の激しい人だったんだけど、身内には好かれていたし、私にも常によくしてくれた。
 人生波瀾万丈で、本当の意味で人生の酸いも甘いも知り尽くした。文字通り「最悪の時代」も、これまた文字通り「天下を取った!」時代もあった。その中で培った人生哲学がこれだ。
 繰り返そう。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

 ヒキタ君なぁ、人生いろいろあるんだよ。良いときもあるし悪いときもある。
 大切なのは「悪いとき」どう行動するかだ。ダメな時は何をやってもダメなんだよ。そして、そのダメ理由のほとんどは自分にある。誤解だとかナントカいっても始まらない。自分が悪かったからこんなドツボにはまっちまった。
 だから、そうなったときにはもう反省するしかないんだよ。
 で、反省の姿を周囲に示すしかない。
 そしたらな、いつかはほとぼりが冷める。冷めたとき、誰かが助けてくれる、人生そういうもんだ。
「捨てる神あれば拾う神あり」って言うだろ、アレだよ。その10年後に、おれは栄光を掴むことになるんだよ…。

 と、こういう話を様々なエピソード(営業ライトバンを運転してたどりついた新潟のビジネスホテルがクライマックス)を交えつつ語る。もうここまでの話がウマいのなんの。
 もう何度となくこの話をしてきたんだよね。たぶん。色んな人の前で。だから多少、芝居がかってる。睨みもあれば間のとり方もある。もうケレン味たっぷり(笑)。
 でも、私はこの話を聞くのが嫌いじゃなかった。何度聞いても引き込まれた。ありがとうMさん。

 斎藤知事はどうだろう。身を捨てて浮かび上がることができるかな。
 でも、なんかあのツラの皮を見てると、いまさら何を言われても響かない気がするんだよね。ある種のサイコパス。でも、もし響いたとしても…、もう無理かもな。2人も死んでるからね…。


【ヒキタ解釈のオススメ本(あるいはオススメサイト) *たまに非オススメあり】

『年金トーク!』 https://www.youtube.com/@nenkin-talk/videos

 驚いたなぁ。こんなYouTubeがあるのかぁ。
 年金をもらってる高齢者に、とにかく延々と「年金状況」を聞くというサイト。基本、街録ばかり。というか街録しかない。ちょっと抜けてて、底抜けに明るい女の子インタビュアーが、ズケズケと色んな個人状況に斬り込んでいく。
 ふーんと思いながら、視聴数を見ると、それぞれのトピックがそれぞれ1ヶ月あたり10万回くらいいってる。
 例をあげると8ヶ月前のが73万回再生、2ヶ月で21万回再生、てなところ。人気サイトなのだ。
 各々の高齢者に、各々の事情があるんだなぁ、というのがひしひしと分かるが、ある種の傾向があるにはある。
 たとえば「公務員は恵まれてるんだなぁ」と思う。なかでも「夫婦一緒に地方公務員」ってのは最強で、え、年金だけでそんなに? と、驚くよ。
「やはり持ち家は強いな」というのもある。年をとると住むとこがなくなるし、その一方、賃貸は引っ越せない。引っ越したら最後、次に受け入れてくれる大家がいない。
 あと、借金・ギャンブルで身を持ち崩し、もう冷蔵庫の電気ももったいなくて切っちゃった、みたいな70代後半男性もいた。「じーさん、あんた自業自得だよ、でも、どうすればいいんだろうなぁ(涙)」。
 人生いろいろ、年金もいろいろ。


【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/

【好評既刊本】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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