EV路上給電のその後…、たぶんうまくいく(はず)の1019号

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    EV路上給電のその後…、たぶんうまくいく(はず)の1019号

■パブコメの結果

 あれまー、まだ出ないぞ。パブコメのリアクション。
「EVは路上給電してもOKなパープリン施設を作りまーす」という例の国交省のガイドラインのことなんだけど、こりゃあまりにヒドすぎるというリアクションが多すぎて、国交省ちょっと苦慮中。だと思う。
 他の「同時期パブコメ案件」はすでに全部リアクション出そろってるのに、EV給電だけはいまだに「意見募集終了・受付締切」のまま。

【「電気自動車等用充電機器の道路上での設置に関するガイドライン(案)」に関する意見募集について】
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155230602&Mode=0

 さあ、どう出るかな? …じつは私けっこう楽観的なのだ。

■楽観的な理由とは?

 楽観的な理由は、先日(4/5)の自転車議連にある。
 衆議院第一議員会館で開かれた自転車議員連盟、令和5年の総会に、我々、NPO自転車活用推進研究会も出席を許され、ラストに発言の機会がまわってきた。
 もちろん私はすっくと立ち上がり(笑)この話を申し述べたわけであります。

「手短に申し上げます。
 自転車議連で決められた自転車振興策はいずれもじわじわとながら進んできていて慶賀の至りなのですが、先日国交省から募集された驚くべきパブコメがありました。
 EVの路上給電施設のガイドラインです。
 これは自転車の走行スペースに、EV給電のための施設を設けるというもので、自転車の安全確保とまったく矛盾しています。
 このようなものが路上左端にあっては、自転車走行は危険のまま、いえ危険が助長され、あろうことか、その危険を国が後押しをしているという形になるのではないでしょうか。
 また現在の技術では給電には数十分を要し、その間、クルマは駐めっぱなし、自転車は車道にふくらんで走らねばなりません。これは国交省のみならず国家のポリシーとして矛盾していると思われますが、いかがでしょう。いえ、いかがでしょう、というより、やめていただきたい。
 自転車議連からNOを突きつけるべきだと考えます」

 私の目の前にいるのは、二階元幹事長や金子恭之元総務相ほか、実力派のご面々だ。さあどう答えていただけるかな?

■国交省から「修正します」

 まず金子大臣から「ヒキタさんのご指摘の案件には、現在、批判的ご意見が多数寄せられておりまして、今、話し合っている最中です、なんとかします」とのお返事があった。うむうむ。金子先生、さすがは自転車議員。
 また国交省からは「現在ガイドラインを修正中で、自転車の通行の妨害ができないようにするつもりです」という見解をもらった。そうだよなぁ、自転車政策も国交省道路局で、EV給電も国交省道路局だ。これはさすがにヘンすぎだろう。パブコメ募集の前にナントカならなかったのか(笑)。

 いずれにせよ、たぶんネガティブなパブコメが多数送付されたんだと思う。そして、そのいちいちが「ごもっとも」であった(当然だ)。そのマジョリティはおそらくこのメルマガを読んでいただいている方だ。マジ伏して感謝申し上げます<(_ _)>。
 あのガイドラインは、おそらく大幅修正される。
 そりゃそうだよな。このままでいいわけがない。で、さて、ここで言いたいのは次のことだ。
 自転車議連も、国交省も「自転車の通行の妨げにならないようにガイドラインを修正する」と約束したぞ。
 しっかり目を見開いてコトの推移を見守ろう。


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『快適自転車ライフ宣言』瀬戸圭祐著 三栄

 2002年に岩波書店から出た拙著のタイトルが『快適自転車ライフ』。
 で、それから20年が過ぎて瀬戸さんが出した新刊、今回のコレが『快適自転車ライフ宣言』であります。
 スゴいぞ、このボリューム、マジで拙著の3倍くらいある。同じ『快適自転車ライフ』でもエラい違いだ。
 で、なかなか実用的でいいのですよ。
 特に初心者が「アレも、コレも、ツーリングも、ライディングポジションも、安全運転も、メンテナンスも、自転車SNSも、つまり自転車にまつわることは、ぜーんぶ知りたい」というのに、これ、おそらくぴったりだ。で、読後に「自転車に乗っていることに誇りを持つ!」ことができるようになる。
 片山右京も絶賛! チャリバカ50年の集大成! であります。
 タイミングもドンピシャ。というのもヘルメット努力義務化でヘルメット買うか、という人あたりに最適だからだ。ショップはヘルメットの横に、是非この本を置くように。


【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/

【好評既刊本】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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