「エレキギターの生音」という不思議な世界の927号

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     「エレキギターの生音」という不思議な世界の927号

■何だかんだでボンヤリと忙しい

 ご承知の方はご承知でしょうが、ツーキニスト疋田、テレビ、自転車、都市工学研究、ほか、と、小さなワラジを何足も履いているもんで、昨今、日々ぼんやりと忙しいわけです。
 メルマガもぼんやりと、……こんなに間があいてしまいますた。
 申し訳ないっす。ヒキタ生きてるっす。

 というわけで、最近、家でのほんの少しの息抜きというと、パパ部屋のオーディオで、昔のロック(洋楽ってやつだ)やらを、アナログーゥゥゥなスタイルで聴くというのが楽しみなんですけどね。
 愛用のYAMAHAのスピーカー「NS-10M」と「NS-100M」と「NS-1000M」が、そのときの気分で鳴りまくるわけです。
 どうです、黒地に白コーン「昭和の定番」スピーカー、10と100と1000の三兄弟すべてを持ってる人なんて滅多にいないだろ、えっへん。
 ……って、ま、普通はいませんわな、そんな似たようなスピーカーを大きさごとに3つも持ってるなんて(笑)。
 クルマにたとえると「ウチには、トヨタのカローラ(白)とマークツー(白)とクラウン(白)があるんだぜ!」と威張ってるようなもんだ。なんともアホなラインナップ(笑)。

【NS-10M】
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/speaker/ns-10m.html
【NS-100M】
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/speaker/ns-100m.html
【NS-1000Monitor】
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/speaker/ns-1000m.html
 
■エレキギターの生音、という不思議な世界

 とまあ、そういう歪(いびつ)なオーディオライフを送ってるワタシクではありますが、以前から不思議に思ってたことがある。
 上記のヤマハのスピーカーは、いずれも「定位がいい(楽器の場所がしっかり定まる)」「生音がそのまま出る」というのが美点でね。目をつむると、そこにミュージシャンがいて、今まさにそこで弾いてる! という感じが快感。
 で、70年、80年代の洋楽の場合、ボーカル以外の主役はもちろんエレキギターなわけですね。
 で、ストラトキャスターか、テレキャスター、レスポールあたりの渋くも乾いた音色(または逆に、泣きの湿った音色とか)が真ん中左あたりにピタリとキマる、というのが、快感なワケですよ。
 
 ……じゃが、あれ?
 それがアコギやら、ピアノやら、サックスなどなら、まあ分かる。そこに奏者がいて、そこから音が出るわけだから。
 でも、エレキの場合は、ギターからコードが伸びて、エフェクターを通って、アンプを通って、スピーカーから出るわけですよ。
 弦の音そのものじゃない。それを電気信号に変え、加工、増幅してはじめてエレキギターの音になる。
 じゃ、エレキギターの音は「どこをとれば」生音なわけ?

■そもそもCDの録音からして

 実際にレコーディングではどうするかというと、ギターアンプのライン出力(つまりスピーカーの直前)から出すこともあれば、ギターアンプのスピーカー前にマイクを立てることもある(マイキングという)。
 以前で言うなら、多数派は後者、つまりスピーカー経由だったんだそうな。
 もちろん最近はライン録音もかなり増えているらしい。

【参考:エレキギターのレコーディング方法】
https://studio.orque.jp/column/column_recgakki_03.html

 しかしながら、色々調べていくと、ライン録音は冷たい、音が単調でベタッとしたものになりがち、など、色々批判もあったりする。
 対してマイキングの場合、スピーカーと、そのまわりの空気感を含めての音が録れる、それこそがエレキの音で「それがいいのだ」という。そう言われるとそうかもしれん。私のようなおやじ世代は納得だ。
 ただ、若い人たちにとっては「ラインの方が音がいい」というのは常識だそうで、不純物がなく純粋にエレキの音になるという。当然と言えば当然だ。
 ただ、このあたり、考えれば考えるほど次第によく分からなくなってくる。
 そもそも「エレキギターの音がいい」って、どんな状態? ってね。なんか根源的な疑問に行き着くわけよ。

■音を歪ませて「音がいい!」

 たとえばエフェクターの種類の中に、有名な「ディストーション」というのがあるんだけど、これって、人為的に音を歪(ひず)ませて、それが「音がいいっ!シビれる!」になるわけでね。
 普通に言って、オーディオ的には「電気信号が過多でオーバードライブして歪んだ音が出る」というのは、「音が悪い」そのものなわけで(笑)こうなると「音が悪いのが音が良い」というワケの分からない状態になる。
 もう「原音再生の善し悪し」とか何のことやらと飛び越えて「音がいいって結局なに?」になってしまうわけ。
 話は哲学の域に飛び込んでしまうのだ(笑)。

 さらに言うなら、そうしたエレキギターの音を「生音」ではなく、じつはオーディオ再生の音で聴くのが、私など(そしてオーディオマニア)には快感だったりするわけ。
 実際にコンサートで聴くより、自分のオーディオセットで聴いた方が音がいい。というのか、そっちの音の方が好き。
 じかに聴くより、オーディオルームで「うきょー、本物みたいだぁぁぁ!」と感動してる方が好きなんだわ。
 いわば「ニセモノの方が好き」、しかも「限りなく本物に近いニセモノが好き」という(笑)。

■カップ焼きそば主義

 なんだろうなぁ、オーディオマニアってのは、なかなか業の深いマニアではあるな。
 強いて言うなら、オーディオは「カップ焼きそば」なのかもしれない。
 カップ焼きそば。
 お湯を注いで3分で捨て、香ばしくも旨い焼きそばのできあがり、まるで本物の焼きそばのようだね……って、でも、カップ焼きそばはカップ焼きそばである以上、焼いてはいないわけですよ。
 つまり存在そのものが「絶対に本物にはなり得ない」という根本的矛盾を抱えてる。
 それなのに、限りなく本物に近づきつつあり、実際にカップ焼きそばは、カップ焼きそばとして、ウマいわけだ。
 うーん、オーディオマニア=カップ焼きそばマニア。
 ホントにそうなのかどうかは知らんがね。
 故長岡鉄男大先生なら、どう答えられただろうか。


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 これはマジ売れて欲しいなぁ。
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