“プチ故郷”への帰省の944号

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          “プチ故郷”への帰省の944号

■本物の帰省ができないから?

 長引くねぇコロナ。大阪は5/5までマンボウか…。
 上りマンボウだの、下りマンボウだの、もうマンボウという言葉自体のマヌケさだけが救いだな(笑)。
 もちろん「蔓延防止等重点措置」の略でありますが、いずれにせよコロナ脱却、帰省でGO!が、また一歩遠のいた。
 帰省したくともできない方のために、私からちょっとしたレコメンドを。
「“プチ故郷”への帰省」であります。
 域内(東京でも大阪でも名古屋でも福岡でも(いえ、どこでも))で可能。なおかつ三密無縁の自転車でこそできる。

■プチ故郷とは?

 いえね“プチ故郷”つって、ヒキタが勝手に名付けてみたんだけど、たとえば「大学の教養時代2年間だけ住んでいたとこ」とか「ほんの3年程度、結婚前に住んでいたとこ」とか、そういうところってあるじゃないですか。
 で、今となっては、よほどのことがないかぎり行かない。本物の故郷と違って、特に用事もないし、それほど親しい人が住んでるというわけでもないしね。
 で、そこをあえて自転車でめぐってみるわけだ。なぜかある日、思い立ってやってみた。
 泣けるぞ、これは。

■「あの頃限定!」の記憶

 たった3年(たとえば)という限定的な期間、過ごした町には、駅前から色んなものが待ってるのだ。
 改札前の風景からして忘れていたものを思い起こさせる。
 持ってきた自転車(昨今の私の場合もちろんDAHON“K3”)を組み立てながら、駅前看板やら、古いパチンコ屋の佇まいなんかがチラチラ眼に入ってくる。で、そのいちいちが胸に迫ってくるわけだ。もちろん新しく建ったものもある。でも、古いものは年月なりに古びて残ってる。
 いざ、ペダルを踏み出してみる。
 すると、脚が道を憶えてる!
 あのころ住んでたアパート、日曜の昼に必ずレバニラ炒め定食を食べてた中華料理屋(あ、まだ営業してる!)、原稿の束を投函したポスト、角のレコード屋…。

■自転車のスピード感が

 もともと自転車ってのは、徒歩ともクルマとも違って、なぜか「ここに引っ越してきた」という感覚をもたらす交通手段だと思う。特に小径フォールディングバイクとかの「非ロードバイク」の場合はそうだ。なんでだろ、適度にゆるいスピードがそう思わせるのかな。
 でも、その“身近なスピード感”が「あの頃!」をありありと思い出させる。

 そうそう、おれは毎週毎週、こんな週末を送っていたんだ、こんなことを考えてた、あんなことで悩んでいたんだ…。あの時と同じ風が頬を撫で、同じ曲がり角で同じパン屋の匂いがする。
 そうだったよな、そうだよ、当時のおれ、大丈夫だぞ、そんなに世の中、悪いモノじゃなかったんだぞ。
 当時の自分に語りかけたい気持ちになってくる。というか、当時の自分が通りからひょっこり現れそうな気分になってくる。自然にあの頃流行ってた歌が口をついて出てくる。

 そうして、再び駅に着く。自転車をたたむ。なんだか色々な気分に背中を押されて、改札をくぐる。
 何だか不思議にリフレッシュした気分で再び日常に帰っていくわけだ。


【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】

『結局、男の服は普通がいい』山田耕史著 KADOKAWA

 タイトル通りのファッション指南本。しかし、読むと「なるほど」そして「ちょっと深い」ぞ。もう若い時代の私に読んでもらいたいよ。

「お金をかけない」「気合いを入れない」「時間もかけない」中で、オシャレな男!になるには(←多少ムシがいいけれど)いくつかの間違えてはならない柱があるという。
 それは(1)シンプルかつ定番の「普通服」を着ることであり、(2)身だしなみを整える、つまり清潔感をもつということで、(3)「体系的な知識がある」ことで、(4)「独自の個性がある」ことだ。

 ふむ、(1)(2)は分かりやすいね。別に説明の必要すらない。いい例がチノパンだ。定番かつお気に入りのチノパンを持て、と。
(3)は、ちょっと難しいようで簡単だ。
 服のジャンルを統一せよ、ストリート系ならストリート系、アウトドア系ならアウトドア系、要するにちぐはぐな服を着るなということに尽きる。
 たとえば料理ならジャンルがあるじゃないですか、和食、中華、フレンチ、イタリアン、などと食材、調味料、ほか、おのずと分かれるように、服もそのジャンル内で組み合わせろ、ということだね。
(4)も、少々難しいとは思うけど、要するに自分ならではの必然と好み、ということです。

 ああ、もう大賛成。
 私はだいたい32歳のときに一大転機を迎えたんだけど(書籍デビューで、撮る側から撮られる側に半分移った)、思えばそれを機に、上記の1から4をなぞるような形で(偶然ながら)ファッションも大転換したのです。
 私の場合は(2)はスキンヘッド化によって実現。アタマを毎日剃るから毎日念入りにシャワーを浴びるようになって、アタマだけでなく指先やヒゲにも清潔感が出た。
(1)と(3)は、なぜかユニクロ(時折GAP)でしか服を買わなくなったんで、ジャンルが定まり、そのジャンル内の普通服ばかりになった。
 ちなみに本書の中でもユニクロは大フィーチャリングされてる。
 そして(4)、自転車に都合のいい服しか買わなくなったんで、それが自然に自分の個性となり、何となくの「ヒキタ風」が実現した。

 その結果、中には「ヒキタさんってオシャレですよね」なんて言ってくれる人まで現れるようになった。20代の頃には考えられない。私しゃ嬉しいよ。よくよく見ると同じ服ばっかし着てるんだけどね。でも、若い頃の自分に教えてやりたいよ。
 いいか、男の服は、結局、普通の服がいいんだ、と(笑)。

 ああ、我が意を得たり。
 あまりに感動したので、著者の山田さん、先日、私のラジオに出演いただいてしまった(ちょっと順番にフィクション)。既に収録済。今週末(東京)来週頭(大阪)放送です。

【TBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」】
https://www.tbsradio.jp/cycle-r/


【ヒキタ関連Kindle本】
「津波から自転車で逃げられるか」疋田智著・NPO自転車活用推進研究会編集
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JCXPGGL
「平成バブル物語 ~60年代生まれのための東京バブストーリー~」(田崎仁志著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWRJPZH/

【ヒキタ最新刊】
「新・自転車“道交法”BOOK」自転車活用推進法が分かる! 木世(えい)出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4777946207
「電動アシスト自転車を使いつくす本」東京書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4487809878

【好評既刊本】
「自転車“道交法”BOOK」小林成基(NPO自活研)と共著 こやまけいこ:イラスト 木世(えい)出版社
「だって、自転車しかないじゃない」朝日文庫
「おやこで自転車 はじめてブック」疋田智監修 ぼちぼち自転車くらぶ著 子どもの未来社
「明るい自転車質問室」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「自転車 困った時の即効お助けマニュアル」成美堂出版
「自転車ツーキニストの作法」SoftBank新書
「ものぐさ自転車の悦楽」マガジンハウス
「自転車会議!」(片山右京・勝間和代・今中大介・谷垣禎一と共著)PHP研究所
「自転車の安全鉄則」朝日新書
「今すぐ使えるクロスバイク図解マニュアル」大泉書店
「ロードバイクで歴史旅」木世(えい)出版社
「自転車をめぐる冒険」「同・誘惑」(ドロンジョーヌ恩田と共著)東京書籍
「それでも自転車に乗り続ける7つの理由」朝日新聞出版
「自転車生活の愉しみ」朝日新聞出版
「天下を獲り損ねた男たち(続・日本史の旅は自転車に限る!)」木世(えい)出版社
「自転車とろろん銭湯記」ハヤカワ文庫
 いずれも好評発売中。ネット内でのご注文はこちらにどうぞ。
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